高品質ケーブルの専門ブランドであるPureAVのHDMIケーブルは、取り扱いやすさと信頼性の高さを両立させた完成度の高い製品で、長さのバリエーションは長尺の15mを含む4種類を揃えている。筆者は自宅試聴室で2.4mタイプのほか、9.1mのケーブルをBD機器とプロジェクターの接続に使用しているが、画質と使い勝手の良さに大いに満足している。導体には銀メッキを施して伝送特性を改善、入念な5層シールド構造の導入によって外来ノイズを効果的に抑えている。ラバー仕上げのグリップ部は確実な装着を実現する優れたアイデアである。そうした総合的なバランスの良さがビジュアルグランプリ受賞を決定付けた。
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■VFXのリアリティが驚くほど高まる〜『パイレーツ・オブ・カリビアン』『エラゴン』 『パイレーツ・オブ・カリビアン〜デッドマンズ・チェスト』は、船上の激しい動きや波のランダムな挙動など難しいシーンが連続するが、「BDP-LX70」と「PDP-5000EX」をPureAVのHDMIでつないだ組み合わせで見ると圧縮ノイズなど細部の破綻が非常に少ないので、どのシーンにも説得力がある。エアチェックも水準が高かったが、BDで見るとクオリティの余裕が大きく、VFXの質感も驚くほど高い。
VFXのリアリティの高さでは『エラゴン 遺志を継ぐ者』も際立った作品である。細部の質感とコントラストをしっかり引き出しているため、ドラゴンの表情の豊かさに不自然な印象を受けないし、遠景の描写もきめが細かい。
『フェイク』はBDで見ると、まるで最新作のような鮮度が高く抜けの良い映像を見せる。この作品のカメラはディテールやリアリティの追求に並々ならぬこだわりを感じさせるが、そのこだわりの強さどこまで伝わってくるか、再生装置の真価が問われるのである。 |
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今回はPureAVのHDMIケーブルについて、画質のほかにもうひとつのパフォーマンスを確認してみたいと考えた。バージョン1.3aのHDMI端子を搭載したAVアンプとして、先陣を切って発売されたパイオニアの「VSA-AX1AH」をBDプレーヤーとディスプレイの間に接続し、映像と音声のHDMI伝送実験を行ってみた。この接続方法は近い将来主流になる形態なので、動作確認は重要な意味を持つ。 実験に使用したケーブルは1.2m、2.4m、9.1mの3タイプ。それぞれBDのハイビジョン映像とマルチチャンネル音声が正常に再生されることを、前述のリファレンスに用いた全てのBDタイトルで確認した。特にリニアPCMフォーマットのサラウンド音声の純度の高さと、高水準の空間再現力は想像を超えるものがある。HDMI接続は音声信号の伝送でも新しい次元を切り開く存在であることにあらためて気付かされた。 |
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