ベルキン社のハイエンド・ケーブルシリーズ「PureAV」が、いよいよ日本上陸を果たし注目を浴びている。アメリカ西海岸のカリフォルニア州に本拠を構える同社は、従業員約1,500名、年商800万ドルの規模を誇るオーディオ・ビジュアルアクセサリーの大手メーカーだ。創業は1980年代に現CEOのChet Pipkin氏が自宅ガレージを工房とし、ケーブルのアッセンブルを行ったことにさかのぼるが、生来の音楽好きが動機となり、その後瞬く間に成長を遂げていった。

ベルキン社のオーディオ製品は日本ではまだ知られていないかもしれないが、創立当初からPC関連のデジタル周辺機器に目を向けたことがユニークだ。R&D部門も米国にあり、PC用ケーブルや無線LANのルーターに各種アイテムにヒット商品を幾つも持っている。最近ではiPod用のアクセサリーも手がけ、アメリカ本国では実績と規模、知名度で抜群なものがある。ただのケーブル作りにとどまらず「トータルのコネクト(伝送)」をキーワードにした、極めてイノベイティブな先端企業なのだ。
ここで「PureAV」シリーズの主なラインナップについてみておこう。日本の市場に登場するのは「PureAV」の中でも、“シルバーシリーズ”と呼ばれるクオリティ指向の製品群だ。

HDMIケーブルを軸に、同社のデジタル機器の開発技術を活かした強力な製品群が揃う。特に15メートルの長尺ものまで揃え、すべて1080p対応だというHDMIケーブルが注目されるが、その他にもi.LINKケーブルにTOSリンクの光ケーブル、さらに同軸ケーブルと、そうそうたるデジタルコネクションのラインナップが揃っている。なおHDMIケーブルの魅力をさらに高める商品として、「RazorVision」という画質改善機能と長尺ケーブルでの安定した信号伝送が可能なリピーター機能も備えたHDMIケーブル用アダプターも登場する。

本シリーズはこの度、パイオニアマーケティング(株)より日本国内のオーディオ・ビジュアルファンに紹介されることとなった。元々はパイオニア自体がi.LINKやHDMI端子を搭載したプレーヤーを他社に先駆けて発売してきたということもあり、高品位な製品群を取り揃えるベルキン社をパートナーに選んだのは納得できる。

アナログのオーディオ系製品はどうだろうか。RCAケーブルやスピーカーケーブルはPCOCC(単結晶高純度無酸素銅)を用い、さらに独自のハイブリッド導体テクノロジーを採用する。これは低・中・高音の各周波数帯域を線径の異なる3タイプの導体に受け持たせる時間軸管理のノウハウだ。シアターファンなら、サブウーファー専用ケーブルなども注目したいところ。高性能を有しながら、抑えた価格設定にしているのもユーザー思いであると言えるだろう。

福岡県出身。工学院大学で電子工学を専攻。その後、電機メーカー勤務を経て、技術系高校の教師というキャリアを持つ。現在、日本工学院専門学校の講師で、音響・ホームシアターの授業を受け持つ。教鞭をとっている経験から、初心者向けに難しい話題をやさしく説明するテクニックには特に定評がある。自宅視聴室に3管式プロジェクターを常設し、ホームシアター研究のための努力と投資は人一倍。