かっこいいだけじゃない！ Marshall初のサウンドバー「Heston 120」「Heston 60」のガチ仕様を徹底チェック

公開日 2025/11/18 06:30 折原一也

Heston 120はストレートな音調で、音楽再生にも好適

Heston 120で映画『トップガンマーヴェリック』をDolby Atmosで再生してみた。
その音場表現はテレビサイズを超えるスケール感で、思わずサウンドバーの存在を忘れてしまうほどだ。オープニングの甲板シーンでは離着陸シーンの臨場感と主題歌が抜群にマッチし、横方向の移動感もリアルに再現。これは横方向に広がるミッドウーファーが大きな効果を発揮しているのだろう。特筆すべきは、鮮やかで感情まで伝わるセリフ表現。解像度重視のチューニングが、映画再生においてもはっきりと魅力に感じられる点だ。

Spotify Connectで音楽を再生。エド・シーラン「SHAPE OF YOU」を再生すると、まずバランスのよい素直で情報量の多い音に驚かされた。アコースティックギターの弦の響きのリアリティや、ボーカルが中央に明瞭に定位し息遣いまで克明に描く様は、まるで高音質なステレオスピーカーで聴くような直球のサウンドだ。

J-POPのYOASOBI「アイドル」を聴いても、音数が多い複雑な構成の中でもボーカルが前に出て際立つ。一般的に重低音再生が重視されやすいサウンドバーとしては異例ともいえる音楽的な表現だ。

5.1ch構成「Heston 60」は別売のサブウーファーと組み合わせて確認

ミドルクラスのHeston 60は、サブウーファーのHeston Sub 200との組み合わせでチェックした。Heston 60は幅730mmとコンパクトサイズながら、Heston 120の設計思想を色濃く受け継ぐ5.1chモデル。7基のスピーカーと7chのアンプを搭載し、フロントの1.25インチ（約30.7mm）フルレンジ・スピーカー3基に加え、サイドユニット、上向き（アップファイヤリング）ウーファーを装備。中央と下側には振動キャンセルを兼ねた対抗配置のパッシブラジエーターも備える。

Heston Sub 200は、このHeston 60に最適なワイヤレスサブウーファーで、対抗配置のデュアルウーファーと底面バスレスポートの搭載により、コンパクトながら強力な低音再生を実現する。

Heston Sub 200の側面。ウーファーユニットが対向配置で設置されている

組み合わせたサウンドは想像以上にHeston 120と異なるキャラクターを持つ。5.1ch構成ゆえに『トップガンマーヴェリック』では横方向への広がりはHeston 120ほどではないが、圧倒的なスケール感と画面奥へ深く広がる音場再現が印象的だ。また、別筐体のHeston Sub 200がもたらしたジェットエンジンの振動も重低音として強烈に感じられる。

Heston 120もHeston 60も、スマホアプリでルームキャリブレーションを行えるが、今回の取材ではEQの調整も積極的に行った。特にHeston 60では、サブウーファーとのクロスオーバー周波数の設定で、印象が大きく変化した。デフォルトでは50Hzだったが、80Hzまで上げると重低音感が増すのでおすすめだ。

また、Heston 60もEQ設定で800Hz付近を持ち上げると、ボーカルの押し出しが強調されるので、セリフが多いドラマなどと相性がいいと感じた。

◇◇◇

Marshall初のサウンドバーは、映画のサラウンド能力と音楽再生の表現力を高い次元で両立させた一体型のサウンドバーである。アコースティック設計を愚直に貫いたサウンドは、映画再生時ですら “音楽的” であり、音楽を再生すればまるでステレオスピーカーのようで鳴らしたような高品位なサウンドを届けてくれる。

「音楽」の視点からホームシアターを再構築した、Marshallの哲学が息づく1本である。

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かっこいいだけじゃない！ Marshall初のサウンドバー「Heston 120」「Heston 60」のガチ仕様を徹底チェック

Heston 120はストレートな音調で、音楽再生にも好適

5.1ch構成「Heston 60」は別売のサブウーファーと組み合わせて確認

SPEC

Heston 120

Heston 60

Heston Sub 200

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