かっこいいだけじゃない! Marshall初のサウンドバー「Heston 120」「Heston 60」のガチ仕様を徹底チェック
VGP2026で企画賞を受賞した “Hestonシリーズ” をチェック

ギターアンプの雄・Marshall(マーシャル)が、ブランド初となるサウンドバー “Heston(ヘストン)シリーズ” を発表した。ラインナップは、フラグシップの「Heston 120」(直販価格:169,990円/税込)を筆頭に、コンパクトモデル「Heston 60」(直販価格:99,990円/税込)、そしてワイヤレスサブウーファー「Heston Sub 200」(直販価格:79,990円/税込)の3製品。HestonシリーズはVGPアワードで各部門賞に加え、その卓越したコンセプトが高く評価され「企画賞」も受賞している。
Marshall「Heston 120」¥OPEN(直販サイト価格¥169,990/税込)
本稿では、フラグシップ機のHeston 120を中心に、その音響哲学と、映画・音楽双方を再生して音質を検証。さらにミドルクラスのHeston 60と、別売のサブウーファーHeston Sub 200との組み合わせもチェックした。
Marshall「Heston 60」¥OPEN(直販サイト価格¥99,990/税込)
Marshall「Heston Sub 200」¥OPEN(直販サイト価格¥79,990/税込)
卓越したルックスに本気のアコースティック設計が融合

Marshallというブランドの立ち位置は、多層的で非常に興味深い。英国で誕生したMarshallは60年以上にわたり、ロックミュージックの制作現場やステージを支えてきた歴史ある「ミュージシャン向けアンプブランド」である。
近年は、そのアイコニックなデザインをまとったワイヤレススピーカーやヘッドホンでコンシューマー市場を席巻。「楽器ブランドならではの確かな音質」も相まって、ファッションアイテムにとどまらない独自の地位を築いた。


そして今回、彼らが次なる領域として選んだのが「ホームシアター」だ。Hestonシリーズは、この文脈で捉えるべきプロダクトである。一見するとデザイン性に優れた “おしゃれなサウンドバー” だが、その根幹には一貫した哲学がある。
Marshallの製品哲学とは、アコースティック設計の確かさと、音楽的なサウンドの追求だ。デジタル処理に過度に依存せず、まずスピーカーユニットや筐体設計といった物理的な(アコースティックな)アプローチで音質を磨く。
象徴的なのが、天面に備えられたタクタイルコントロールだ。これは単なる意匠ではない。BASS(低音)/TREBLE(高音)のノブは、まさにギターアンプの機能性を継承したもの。ユーザーが “音を直感的に操る” という音楽制作の現場の常識を、デザインとして昇華しサウンドバーにも搭載した点こそ、本機が企画賞を受賞した大きな理由である。
5.1.2ch構成の1本バースタイル「Heston 120」とは?
Heston 120は、そうしたMarshallらしさを色濃く反映しているサウンドバーだ。幅1,100mmという大型筐体は、55型以上のテレビとの組み合わせを想定。Dolby AtmosおよびDTS:Xに対応する5.1.2ch構成を採用する。
内部構造にも注目したい。11基のドライバー(5基のフルレンジ、2基のトゥイーター、2基のミッドウーファー、2基のサブウーファー)と11基のアンプによる11ch独立駆動。サイド方向の広がりを担うミッドウーファーや、高さ方向を表現するアップファイヤリングトゥイーター(0.8インチ=約20.3mm)、さらには背面の2基のサブウーファーと4基のパッシブラジエーターなど、アンプはもちろんスピーカーを作り続けてきたアコースティック設計のノウハウが惜しみなく投入されている。

インターフェースはHDMI eARCに加え、4K/120Hzパススルー対応のHDMI入力、RCAのアナログ音声入力も装備。また有線でサブウーファー接続できるのもユニークなポイントだ。
音楽再生の機能はBluetooth/Wi-Fi接続に対応し、AirPlay 2、Google Cast、Spotify Connect、TIDAL Connectもカバー。「Marshall」アプリからEQやサウンドモードの調整も可能だ。なお、これらはHeston 120とHeston 60ともに採用している。
