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低価格帯から充実したラインナップ

国産ケーブルブランドに“強力な選択肢”が誕生。新星「M&Mデザイン」の高品質ケーブルを試す

公開日 2020/11/10 06:30 福田雅光
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・スピーカーケーブル

●「SN-MS7500III」(6,800円/m)

シース材に制振材入りポリオレフィン樹脂を採用。最先端の技術を惜しみなく投入したスピーカーケーブルの最上位モデル

高解像度&高精度が基調。混濁のない再現性を生む

シリーズIIIとして、制振材を添加したポリオレフィンをシースに新たに採用したモデル。導体は12AWG(3.3スケア)。あまり太くないが、集合撚線構造ではこのくらいの太さこそ、最も高い性能が得られることを筆者も感じている。ケーブルは太ければ有利という時代ではなくなったのだ。

基本的な性質は後述する下位モデル「SN-MS1800」と異なる、むしろ逆といえるタイプで、高解像度基調が本ケーブルの特徴になる。音質ロスの少ない精度の高い写実的な性能が追求されている。コントラストは高く、高域の倍音スペクトラムも克明に繊細な解像力でS/Nが高いため、すっきりした表情が現れている。

混濁やくもりのないクオリティと立体感を感じるヴォーカルの音像。低歪みで解像度の高い性能を高く評価したい。筆者ならばロジウムメッキYラグなどで端末処理して使うだろう。


●「SN-MS1800」(1,200円/m)

音質劣化の少ない部分は極限まで削って完成されたハイCPスピーカーケーブル。筆者も高く評価するモデル

低域の力感と躍動感が別格。高級クラスの性能を備える

この製品はスピーカーケーブルの中で2番目に低価格のモデルである。ケーブル外径は6.8Φ。

高解像度で音は引き締まり、コントラストの高い写実性をみせてくれるところに注目したい。普及価格であるが、高級オーディオで重視する性能を出してくれる。力のある低音、躍動のストロークが大きくDレンジが大きく感じられ、高速レスポンスで低音弦楽器の旋律は極めて明確に表現する。明確に分解力の高い旋律と厚い響きだ。

ヴォーカル帯域のS/Nも高く、高音は繊細な解像度。素直でクセがない。ヴィンテージスピーカーにも使いやすい導体の線径であり、この価格であるからバイワイアリングにも適している。



オーディオケーブル部門にデビューした新星M&Mデザイン。低価格帯の製品ラインナップも充実している点が、特に賞賛に値する。ケーブルは低価格&高性能の時代に突入したのだ。それは一般オーディオファンに向けたメッセージとなって賛同を得ることができるだろう。


本記事は季刊・オーディオアクセサリー 177号 SUMMERからの転載です。本誌の詳細および購入はこちらから。

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