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これぞ8K時代のAVアンプの先駆け。デノン「AVC-X6700H」「AVR-X4700H」レビュー

公開日 2020/08/27 06:45 大橋 伸太郎
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映像信号は8K/60p、4K/120pのHDMI入出力に対応、著作権保護規格のHDCP2.3に対応する。8Kアップスケール出力も可能。HDRも一歩前進し、HDR10+、ドルビービジョン、DynamicHDRを含む5種類に対応する。

入出力ともに8K対応。次世代HDMI規格「HDMI2.1」で必要とされる機能も網羅する

音声面では他に先駆けてMPEG-4 AACのデコードに初対応した。4K/8K衛星放送で採用されているフォーマットだが、従来のAVアンプはテレビやチューナー側でリニアPCMステレオに変換したものを再生していた。両機はMPEG-4 AAC ステレオ/5.1サラウンドをストレートデコードで再生する。変換時に低域のレベルの変動がないことも副次効果となる。

イマーシブサウンドでは、発売後のアップデートを適用することでAVC-X6700Hが「DTS:XPro」への国内初対応を果たす。DTS社が提案した新フォーマットで、トップセンター(センターハイト)を含む最大30.2chのオブジェクトオーディオだ。AVC-X6700Hの場合、13.2chプロセッシングの範囲であるが「DTS:XPro」再生に対応する。


DAコンバーターは両モデルとも前世代と同じ旭化成エレクトロニクスの32ビット8ch DACチップ「AK4458VM」を2基使用するが、DSPのデバイスが変わった。前世代モデル「AVC-X6500H」「AVR-X4500H」は「SHARC」プロセッサーのシングルコアタイプを搭載していたが、AVC-X6700H/AVR-X4700Hでは最上位モデルの「AVC-X8500H」で実績のあるデュアルコアタイプを搭載した。

デジタル基板からDAコンバーター基板を独立させた設計がひとつのポイント。DSPの処理能力も向上している

DAコンバーター回路もアナログ回路の一種、という考え方からDAC基板をデジタル回路から独立させ、さらにAVC-X6700Hの場合、専用電源から電力を供給する。両機共DAC周辺回路とオペアンプの設計は精緻を極め、ポストフィルターは完全A級動作でゲインを可能な限り上げ、信号ラインのインピーダンスを低減し、薄膜抵抗を採用する工夫で、ノイズと歪みを抑制。ボリュームICやプリアンプ部の設計にもデノン独自の高音質化の工夫があるが、これは試聴報告でふれることにする。

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