HOME > レビュー > 高いレベルの編集作業を求める人に!BenQの実力派カラーマネジメントモニター「SW321C」レビュー

【特別企画】AQCOLORシリーズ最高画質を実現

高いレベルの編集作業を求める人に!BenQの実力派カラーマネジメントモニター「SW321C」レビュー

公開日 2020/06/05 07:02 藤井智弘
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

■正確な色再現と画面四隅までムラのない均一な表示

一方、写真・映像編集を行う上でもっとも重要となる色の再現性についてだが、本機はAdobe RGBカバー率99%、sRGB、Rec.709カバー率100%を実現している。Adobe RGBは、標準的な色域であるsRGBよりも広い色域を持ち、より豊かな色再現ができるのが特徴だ。Adobe RGBは商用印刷が目的のプロが使用することが多いが、一般向けのインクジェットプリンターによる印刷でもその威力を発揮する。特に8色や10色のインクを使用する高画質写真向けプリンターの広い色再現力を生かすのに最適で、例えばsRGBでは苦手なエメラルドグリーンの海などが鮮やかに再現できる。

では、写真編集においてsRGBは不要かといえばそんなことはなく、Webでは現在もsRGBが標準だ。Adobe RGBとsRGBは「どちらが良い」ということではなく、目的に応じて使い分けるのがコツといえるだろう。その点、本機であれば、SNSなどWeb上での利用を前提とした編集作業はもちろん、プリントでの利用を前提とした編集作業も、その広い色域を生かし、安心して行うことができる。しかも本機は、映像向けの色域であるDisplay P3、DCI-P3のカバー率も95%を達成しているので、写真編集だけでなく、映像制作にも最適だ。


4K UHDの解像度を誇るSW321Cは、10bitパネルによる豊かな階調再現と、Adobe RGBを99%カバーする広い色域を持ち、レタッチの際も、拡大して細かい部分の調整が行いやすい。

この広い色域と正確な色再現を支えているのが優れたパネルだ。本機は16bit LUT(ルックアップテーブル)を搭載した10bitパネルを採用しており、なんと約10億7000万色もの色を再現することが可能。微妙な色調や滑らかな階調再現を実現している。また、工場出荷前に一台一台個別のムラ補正がされており、それぞれの色調と明るさを微調整。画面四隅までムラの無い均一な表示を実現している。


大きく高精細な画面は、写真の作業画面とインターネットのブラウザを同時に表示させるなど、デュアルモニター感覚で使うこともできる。大画面モニターならではの便利さだ。

32インチもの大画面モニターになると、画面中央部と周辺部で明るさや色調が変化してしまうモデルも少なくないが、本機はそれが皆無。画面全体の明るさや色調が均一で全くムラがない。また、視野角の広いIPSパネルの恩恵か、画面に対して極端に斜めから見ても明るさも色も変化せず、本機のクオリティの高さを実感させられた。


ムラ補正技術により、大画面でもムラの無い表示を実現している。IPSパネルの使用により視野角も広く、写真のように斜めから見ても手前と奥で色や明るさが変化せず、ムラも全く見られない。

それもそのはず、本機の正確な色再現は、色見本の標準であるPANTONEのカラー認証を取得。さらに世界的に有名なビデオキャリブレーションソフトウェアであるCalMANの認証も得ている。ちなみに本機はCalMANの3D LUTキャリブレーションにも対応し、プロの映像制作にも導入できるほどの高い性能を持っている。

次ページ性能を継続するハードウェアキャリブレーションにも対応

前へ 1 2 3 4 次へ

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE