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【AEx2020「特別賞」受賞】世界のプロも認める“ハイファイ”ブランドの最高峰スピーカー「Krypton3」を聴く

2020/03/19 岩井 喬
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■リスニングルームの影響を最小限に抑えるテクノロジー

2.5cmチタンドームトゥイーターを挟み込むようにして垂直に配置されたカーディオイドエンクロージャーには、仮想同軸構成となる2発の20cmパピルスコーン・カーディオイドミッドレンジを装着。前述のように高域側のクロスオーバー周波数は1.6kHzと低めの設定である。

Kryoton3に搭載されたミッドレンジは20cmのパピルス・コーンを採用したユニット。トゥイーターとのクロスオーバーは、1.6kHzと低めに設定されている

トゥイーターには、アンフィオンのスピーカーの共通した特徴とのある人工大理石を用いたウェーブガイドを装備。1.6kHzというクロスオーバーと合わせて、より自然な音のつながりの実現に大きく貢献している。また、これにより指向性も広がった

ミッドレンジの振動板は、独自技術によって開発されたパピルス紙による多段コルゲーション構造のコーン。トゥイーターには上下のミッドレンジと同じ開口部口径を持つウェーブガイドを採用。また、側面や背面側に接した壁からの影響や、ユニットから放出された音の不要な反射を最大20dBまで抑制する特別なエンクロージャー技術UDD(Uniformly Directive Dissusion)も取り入れたことも特徴だ。


Krypton3を横からみたところ。ミッドレンジの横にあるデザインは独自のディフューザー技術であるUDD(Uniformly Directive Dissusion)に基づくもの。下半分を覆うサランネットを外すと、25cm後継のウーファーが姿を見せる
ミッドレンジの両サイドに設けられた無数の穴はデザイン上の構造ではなく、このUDDに基づくベントの役割も担っているようだ。背面には、これとは別にバスレフ状のダブルベントチューブが設けられ、箱鳴りの影響を抑えた開放的なサウンドづくりに貢献している。

エンクロージャーのサイドにマウントされた25cmのウーファー。一般的なリスニングルームでは内側に、広い部屋では、外側に向けることが推奨されている

ウーファーの反対側はダクトの役目を果たすスリットが設けられている。これも、部屋の影響をできるだけ緩和するというアンフィオンの考えに基づく設計だ。

ジャージネットでカバーされた側面下方には、25cmアルミコーン・ウーファーが1基設けられており、音が均等に360度展開するよう160Hzのクロスオーバー周波数で設計されている。この側面ウーファーは、一般的なリスニングルームでは内側に向くよう配置すればよく、周囲の壁とある程度距離が離れた広いリスニングルームへ設置する場合には外側に向けたセッティングが推奨されている。

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