【特別企画】ELACファンも納得の出来映え
ELACの伝統+新たな個性! あの240シリーズの現代版「CARINAシリーズ」を山之内 正が聴く
山之内 正
2019年10月01日
■ELACの象徴技術“JETトゥイーター”搭載の新SPシリーズ「CARINA」
ELAC(エラック)がラインナップの中心に位置する「240シリーズ」をベースにした新製品「CARINA」を投入した(関連ニュース)。設計を主導したのはELACのキー・マンであるアンドリュー・ジョーンズで、彼が既存モデルのリファインを手がけるのは今回が初となる。ちなみにリファインを機に与えられた“CARINA”という名称は船底の構造材(竜骨)に由来するらしい。
新シリーズは3機種で構成される。フロア型の「FS 247.4」はツインウーファーを積む2.5ウェイ、ブックシェルフ型の「BS 243.4」は同一口径のウーファーを採用する2ウェイ構成でいずれもバスレフ型。そのほかセンタースピーカー「CC 241.4」も用意される。仕上げは3機種とも艶消しのサテンブラックを採用する。
光沢ブラック仕上げの上級機よりはカジュアルな印象を受けるが、キャビネットやターミナル部の仕上げは質感が高く、歴代モデルと比べて見劣りすることはない。
ユニットとキャビネットはいずれも新設計だ。トゥイーターにJETの新バージョン「JET folded riibbon」を採用したことが目を引くが、このユニットの基本構造は従来のJETを受け継いでいる。応答性の良さや優れた耐入力などの長所はそのままに、生産コストを抑えて価格競争力を高めたという。なおトゥイーターを変更したことで高域の再生帯域は30kHzになり、JET Vの50kHzに比べると控えめな仕様になっている。
ウーファーは135mm口径のアルミニウムコーンドライバーを採用。従来のELAC製品で見慣れたクリスタル形状ではなく、異なる曲率を組み合わせたコーン形状を採用し、分割振動の共振周波数を制御していることが新しい。ポールピースにベント構造を導入し、放熱性と空気流の制御を同時に改善した点も音質向上につながりそうだ。
FS 247.4とBS 243.4のキャビネットはリアを絞り込んだ台形の断面形状で、コーナー部は緩やかなラウンド形状を採用し、外形寸法の数値から想像する以上にスリムに感じる。内容積も最小限に見えるが、上位のVELAシリーズと同様、内部のリブ形状を工夫することで共振を抑えているようで、音を出す前から剛性の高さが伝わってくる。
正面からは気付きにくいが、フロア型のFS 247.4だけでなくブックシェルフ型のBS 243.4も底面にダウンファイヤリング方式のバスレフポートを配置しているので、耳障りな風切り音が発生しにくく、設置環境の影響も受けにくいはずだ。FS 247.4の重量級ベースもそうだが、前作や上位シリーズで蓄積したノウハウを巧みに採り入れていることがわかる。
ネットワーク回路の詳細は公表されていないが、高域用と低域用それぞれ独立した基板で構成しているとされ、スピーカーターミナルはバイワイヤリング仕様である。
ELAC(エラック)がラインナップの中心に位置する「240シリーズ」をベースにした新製品「CARINA」を投入した(関連ニュース)。設計を主導したのはELACのキー・マンであるアンドリュー・ジョーンズで、彼が既存モデルのリファインを手がけるのは今回が初となる。ちなみにリファインを機に与えられた“CARINA”という名称は船底の構造材(竜骨)に由来するらしい。
新シリーズは3機種で構成される。フロア型の「FS 247.4」はツインウーファーを積む2.5ウェイ、ブックシェルフ型の「BS 243.4」は同一口径のウーファーを採用する2ウェイ構成でいずれもバスレフ型。そのほかセンタースピーカー「CC 241.4」も用意される。仕上げは3機種とも艶消しのサテンブラックを採用する。
光沢ブラック仕上げの上級機よりはカジュアルな印象を受けるが、キャビネットやターミナル部の仕上げは質感が高く、歴代モデルと比べて見劣りすることはない。
ユニットとキャビネットはいずれも新設計だ。トゥイーターにJETの新バージョン「JET folded riibbon」を採用したことが目を引くが、このユニットの基本構造は従来のJETを受け継いでいる。応答性の良さや優れた耐入力などの長所はそのままに、生産コストを抑えて価格競争力を高めたという。なおトゥイーターを変更したことで高域の再生帯域は30kHzになり、JET Vの50kHzに比べると控えめな仕様になっている。
ウーファーは135mm口径のアルミニウムコーンドライバーを採用。従来のELAC製品で見慣れたクリスタル形状ではなく、異なる曲率を組み合わせたコーン形状を採用し、分割振動の共振周波数を制御していることが新しい。ポールピースにベント構造を導入し、放熱性と空気流の制御を同時に改善した点も音質向上につながりそうだ。
FS 247.4とBS 243.4のキャビネットはリアを絞り込んだ台形の断面形状で、コーナー部は緩やかなラウンド形状を採用し、外形寸法の数値から想像する以上にスリムに感じる。内容積も最小限に見えるが、上位のVELAシリーズと同様、内部のリブ形状を工夫することで共振を抑えているようで、音を出す前から剛性の高さが伝わってくる。
正面からは気付きにくいが、フロア型のFS 247.4だけでなくブックシェルフ型のBS 243.4も底面にダウンファイヤリング方式のバスレフポートを配置しているので、耳障りな風切り音が発生しにくく、設置環境の影響も受けにくいはずだ。FS 247.4の重量級ベースもそうだが、前作や上位シリーズで蓄積したノウハウを巧みに採り入れていることがわかる。
ネットワーク回路の詳細は公表されていないが、高域用と低域用それぞれ独立した基板で構成しているとされ、スピーカーターミナルはバイワイヤリング仕様である。
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