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Zマウント初となる、待望のAPS-Cミラーレス

ニコン「Z 50」レビュー。カメラで写真を撮る楽しさが、小型軽量ボディに凝縮!

公開日 2019/11/29 06:00 山田久美夫
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■カメラと写真の魅力を凝縮した、親しみやすいAPS-Cミラーレス


昨年の秋以降、各社からフルサイズミラーレスが出揃ったこともあり、ミラーレス機の話題は、フルサイズ機を中心に盛り上がってきた。

確かにフルサイズミラーレスはきわめて高画質だ。ただ一方で、ボディもレンズも、大きくて重いというのが今の現状。そしてなにより高価で、誰もがおいそれと購入できる価格帯ではなく、気軽に写真を楽しみたい方にとっては、正直、かなりハードルが高い。

そのような中登場した本機は、Zマウントへの対応をはじめ、ニコンが最新のフルサイズミラーレスで導入した様々な技術をベースに生み出した「バランスの取れたAPS-Cミラーレス」といえるだろう。


上の作例は8秒の長秒露光で撮影。昨今のスマートフォンのカメラ性能の向上は凄まじいものがあるが、まだまだデジタルカメラでなければ撮れない世界もたくさんある。本機はその奥深い世界を肩肘張らずに楽しませてくれる。

サイズや重さ、操作感や画質、キットレンズの性能、そして価格。これら全ての要素を、高いレベルでバランスさせたモデルは、意外なほど少ない。しかし本機は、その全てのバランスが、きわめて絶妙であり、それこそが本機最大の魅力だろう。使っていて心地よく、中堅機ならではの存在感もあり、写りにも満足できる、きわめてハイコストパフォーマンスなモデルに仕上がっている。

昨今は、スマートフォンのカメラ性能の向上が著しく、スマートフォンだけでも十分にキレイな写真を撮ることができる。しかし本機には、カメラを持つ喜びや、扱う楽しさ、ファインダーを覗く新鮮さ、そしてレンズ交換による幅広い表現力、さらにはフルサイズ機へのステップアップなど、「カメラで写真を撮る楽しさ」が凝縮している。

本格的な写真を肩肘張らずに楽しみたい方、デジタルカメラやミラーレス機は初めてという方、そしてスマートフォンからのステップアップを望む方に、安心してオススメできるモデルといえるだろう。


■「NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR」作例




レンズキットに付属する標準ズーム「NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR」の魅力は、優れた描写と沈胴時の薄さ。EDレンズ1枚と非球面レンズ4枚を採用した贅沢なもので、コスト重視になりがちなキットレンズとは到底思えないほどの高解像度を実現している。しかも、24mm時に20cmまで被写体に寄れるため、花や料理などの撮影を楽にこなせる点も好印象。それでいて、沈胴時には薄さ32mmになり携帯性も上々だ。

■「NIKKOR Z DX 50-250mm f/4.5-6.3 VR 」作例




ダブルズームキットに付属する望遠ズーム「NIKKOR Z DX 50-250mm f/4.5-6.3 VR 」は、35mm判換算で75mmから375mm相当をカバー。こちらも沈胴式を採用しており、持ち歩きも苦にならない。写りもクラストップレベルの高解像度。手ぶれ補正も5段分と強力なので、安心して手持ち撮影が可能だ。またワイド端で50cm、テレ端でも1mまで被写体に寄れるため、クローズアップ撮影も得意だ。

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