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さらなる進化を果たした人気シリーズ最新モデル

クアルコム製チップが進化のカギに。ヤマハのAlexa内蔵サウンドバー「YAS-109」詳細を開発陣に聞いた

公開日 2019/08/06 06:30 鴻池賢三
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大幅な音質向上を確認。バーチャルサラウンドの効果も想像以上だ

まずは基本音質を2chオーディオで確認。本シリーズは、各種ストリーミングサービスへの対応が新しく注目に値し、今回は使い慣れたSpotifyを利用した。選曲はAmazon Alexa経由でも行えるが、スマホやタブレットを慣れているユーザーなら、いつものアプリと手順で選曲したのち、キャスト(Spotify Connect)するのも良いだろう。

ディスプレイと組み合わせて、実際にその音を確認した。

ダイアナ・クラールの「California Dreamin'」は、語るような静かな歌い出しで、解放感を伴ったブレスの余韻が美麗。低域は引き締まって歴代モデルと比べても質感表現が向上し、リズムの歯切れよさが心地よい。佐藤氏によると、今回、Amazon Alexaを搭載し、テレビを見ていない時はオーディオ機器としても利用できるよう、音質にもさらに配慮したとのことで、その成果がしっかりと確認できた。

DTS Virtual:Xの音場は、BD映画『プロメテウス』で確認。洞窟内のシーンは、閉鎖的な空間で、湿気を含んだ空気が体にまとわりつくような錯覚に陥るほどリアル。効果音の定位も明瞭で、上方から降り注ぐ感覚が得られる。サイドから後方にかけての移動や距離感の変化も極めて明瞭だ。極端な言い方だが、リアル7.1.4chでも調整が不十分だと音源に込められた本来の効果を発揮するのは難しい。多くのユーザーにとって、YAS-109のバーチャル再生は安定して高度なイマーシブサラウンドを体験できるという点で、大きな魅力となるだろう。

テレビ放送コンテンツはサッカー中継を視聴。サラウンドモードで「スポーツ」を選択すると、アナウンスが明瞭かつ力強くなり、熱のこもった解説がさらにヒートアップ。適度な余韻がスタジアムの雰囲気を醸し出し、没入感を高めてくれる。熱中して時間が経つのを忘れてしまうほどだ。

他にも、本機はWi-Fi対応でハイレゾファイルのネットワーク再生ができ、この際にもDTS Virtual:Xのバーチャルサラウンドを利用することも可能だ。幅広い音源を、幅広い方法で再生できる。テレビの前に設置するサウンドバーひとつで、これほど楽しみが広がるとは驚くべきだ。



歴代人気モデルとして君臨してきた同シリーズ最新の「YAS-109」。新しくWi-FiおよびAmazon Alexaを内蔵し、新たなステージに突入した。価格帯を維持しつつこうした飛躍的な進化を遂げたのは、ヤマハの実力はもちろん、機能面でもサラウンド効果面でも、クアルコム社DSPの貢献は大きく、今回の取材を通じて両者のシナジー効果を感じた。

ユーザーには直接見えない部分だが、「YAS-109」を体験して驚きを感じたらなら、ぜひこの記事を読み返して欲しい。YAS-109がいかにしてクラスを超えるサウンドを実現したのかについて納得度が高まり、製品への愛着も深まるのではないだろうか。

(鴻池賢三)

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