アップデートによリさらなる機能追加も

4K&3Dサラウンド時代の理想的なAVアンプ入門機。デノン「AVR-X1600H」レビュー

岩井 喬

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2019年06月20日

分離や定位のバランスが良く、ナチュラルで耳馴染み良いサウンド

視聴においてはスピーカーにELAC「240BE」シリーズによる最大7.1chの環境を用意。まず、ステレオ再生のクオリティをフロントUSB端子に差し込んだUSBメモリー内の音楽ファイルでチェックした。

ステレオ/サラウンド両面から音質をチェック

中低域の密度の高さと高域のナチュラルな伸びやかさをバランス良くまとめた、耳なじみも良いサウンド傾向である。アンプまでの信号経路を最短化していることは、本機のS/Nが高く色付けの少ない表現に貢献しているはずで、上位機ほどの制動感はないもののハイレゾ音源の良さを的確に引き出してくれる。

オールインワン型のネットワーク再生環境として考えた場合、そうした音質をエントリーモデルで実現していること自体が驚きである。HEOSモジュール搭載モデルとしてもコストパフォーマンスが非常に高い。

クラシックは艶良い管弦楽器の旋律を爽快かつ華やかに表現。ローエンドは太くリッチで、木管パートもふくよかに伸びる。余韻の響きは潤い良く感じられ、ハーモニーの粒立ち感も適度な解像感を持つ。音場はややコンパクトで、奥行きも浅いものの、バランス良く丁寧にまとめている。

リモコンはもちろんだが、アプリからも選曲操作が可能

ジャズは、密度が高く滑らかなホーンセクションを鮮やかに描き出す。中域の厚みも適度に持たせ、細くなりすぎず存在感ある描写としている点が良い。ピアノの響きもほぐれ良く伸びやかだ。ウッドベースやキックドラムは艶のあるアタックにより、弾力よく押し出され胴鳴りも豊かだ。ロックは中低域の密度が高いサウンドを味わえる。リズム隊は適度に引き締まり、スネアドラムも明瞭さとボディの太さを両立。ボーカルはハスキーな輪郭をくっきりと引き出し、伸び良く滑らかに描く。

ハイレゾ音源も聴いたが、HEOSの熟成度も関係するのだろうか、ハイレゾならではの空気感をエントリー機とは思えないナチュラルな表現で描き切る。空間の緻密さや解像感も価格を考えれば十分すぎるクオリティといえるだろう。DSDについても、PCM変換とはなるが、上位モデルで得た感触と近い、DSDならではの空間表現を味わえた。

現在のトレンドをまとめ込んだ旬なAVアンプ

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