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自宅システムと録音で実際に試してみた

オーディオはもちろん、録音現場でも効果大。フルテックのケーブルインシュレーター「NCF Booster」を試す

公開日 2019/02/08 11:28 生形三郎
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NCF Booster-Signalの効果
増やすほどに効果が高まり、立体的で生々しく躍動する

拙宅の環境内のケーブルで、最も振動の影響を大きく受けていそうなラインケーブルに、フルテックのNCF Booster-Signalを使用した。チャンネルデバイダーとパワーアンプ間を結ぶ6本のバランスケーブルで、これらはスピーカーのすぐ脇の床を這う形で敷設している。

床を這う形で使っている生形氏自宅のインターコネクトケーブルへ、NCF Booster-Signalを挿入。その数を増やしていくと、増やすだけ効果が発揮される。電源ケーブル周りには、NCF BoosterとNCF Booster-Signalを併用

まず、両機器間の真ん中あたりに1基設置すると、これまでの描写が曖昧だったかのように、楽器の音像の輪郭が鮮明になった。ピントの滲みが解消されるようだ。同時に、若干毛羽立ったようにも感じていた音の耳触りが、より滑らかで自然な質感となる。ケーブルの大部分は床に接地しているにも関わらずこの効果が得られるのは、NCFによるノイズ対策効果も大きいということだろう。

続いて1個ずつ数を増やしていくと、その効果は次第に強くなる。2個では、余韻が湧き上がる様に描き出され、演奏と空間の立体感が増して生々しい躍動感が出てくる。3個に増やしてケーブルを床から完全に浮かせると、さらに音の輪郭が滑らかになり、耳に引っかかる感じが無くなった。音響装置の存在感がより一層薄くなるのだ。さらに4個、5個と増やすと、さらなる浮揚感が引き出され、上下方向へと立体的に音響が現出する。空間が遙かに鮮明になるのだ。

さらに、それぞれの高さを上げていくと、定位自体も上に上がるような軽やかさで描かれるようになり、より低域表現もスッキリとした。これらは環境によっていろいろな微調整が楽しめそうだ。

電源、スピーカー、インターコネクトケーブルを、オプションを使って複数階建てにすることで分離配線した例

またシャフトを追加し、2階建てにしてケーブルを分配すると、音の解像感が一層向上。楽器音像それぞれが解れ、より些細な音色の表情や演奏の端々が見えてくる。

続いて効果が高かったのが、スピーカーケーブルだ。一転して、今度は音のタイミングがシャープになる印象で、低音楽器など楽器のストロークの立ち上がりが迅速になる。演奏者の集中力や気迫が、よりリスナーに鋭敏に伝わる。視界の深度も高まり、音場の奥側まで鮮明に引き立ってくる印象だ。外部からの振動の影響が多そうな箇所に適用するのが良さそうだ。

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