DAPやヘッドホンアンプと合わせて外でも使える

ポータブルでもエレガントなサウンドを堪能。FOCAL初のハイエンド密閉型ヘッドホン「ELEGIA」レビュー

生形三郎

前のページ 1 2 3 次のページ

2019年01月31日

ジャズのピアノトリオを再生しても、全体的にカチリとした描写で、奏者が作り出すアンサンブルを、精確な演奏表現で堪能することができる。ウッドベースはしっかりとボトムが引き締められ、ピチカートの指先が作るフレーズが滲まない。

ピアノの音色にはボーカルと同じく明瞭な張りが生み出され、タッチが実に明解。ドラムスも、リズムのシャープさが引き立っている。それでいて、ピアノの高域弦やドラムスのシンバル類などは、明るくもサラッとした質感で描かれるので、なんとも上品な表現なのだ。

オーケストラを再生しても、それぞれの楽器の姿が、明瞭に描き出される。ステージに広がる余韻も消え際まで鮮明で空間の見通しが良く、演奏会場の広さを適切なスケールで生き生きと描写する。ストリングスは、明瞭かつ瑞々しい潤いを湛えており、なんとも魅惑的な音色表現が美しい。コントラバスやグランカッサなどの低域は、やはりしっかりと引き締められたボトムで音楽表現を支えている。明晰なのである。

ポータブルDAPと組み合わせて試聴。騒音下でもクリアで明快なサウンドを楽しめる

また、本機の特長でもある駆動の容易さを確かめるために、ポータブルDAPでも駆動してみた。Astell&Kern「A&ultima SP1000」及び「AK70 MKII」の2台で確認したが、DAPでの直挿し駆動でも、本機の魅力が失われることはなかった。音量が充分に取れることは当然のこと、先述の密度あるボーカル表情やタイトな低域の質感を十全に味わうことが出来、駆動力に不満を感じさせない。

Astell&KernのポータブルDAP「A&ultima SP1000」と組み合わせて試聴

さらに、出先での使用ということで、騒音の多い環境での使用感もチェックした。装着するとすぐにすぐ分かるのだが、本機は密閉感が高く遮音性が良好だ。よって地下鉄などで使用しても、その明快な音質と相まって、音楽をクリアに楽しむことが出来た。

総じて駆動の容易さと併せて、出先での使用に適したパフォーマンスを備えたモデルだということを十二分に確認できた。付属のハードケースも、流麗なフォルムで鞄などへの出し入れもスムーズに行なえる。



ELEGIAは、フォーカルらしい端正かつエレガントな描写力を、接続機器を問わず様々な環境で味わえるヘッドホンである。これまでのハイエンドライン3モデルの質感をしっかり継承しながらも、密閉型ならではの、明瞭でクリアな定位や空間表現を楽しむことが出来る。接続機器のキャラクターもしっかりと引き出すので、様々なヘッドホンアンプやDAPと組み合わせて使ってみたくなるモデルである。

前のページ 1 2 3 次のページ

関連リンク

関連記事