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DAPやヘッドホンアンプと合わせて外でも使える

ポータブルでもエレガントなサウンドを堪能。FOCAL初のハイエンド密閉型ヘッドホン「ELEGIA」レビュー

2019/01/31 生形三郎
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仏FOCALから、ハイエンドラインでは同ブランド初となる、密閉型ヘッドホン「ELEGIA」が登場した(関連ニュース)。同社のハイエンドヘッドホン第4弾となるモデルで、外出時の使用も想定した音作りが行なわれており、ポータブルプレーヤーとの組み合わせでも最大限にパフォーマンスを発揮できるよう音質チューニングが施されている。出先でも楽しむことができる、待望のプレミアムヘッドホンの魅力に迫る。

FOCAL「ELEGIA」¥OPEN(市場想定価格100,000円 - 110,000円前後)

FOCALの独自技術とデザインを踏襲したハイエンドヘッドホン

フォーカルは、1979年に創設されたフランスのオーディオメーカーだ。創始者である天才的なエンジニア、ジャック・マユールが生み出した優れたスピーカーユニット開発力を継承・発展させ、先進的な技術を昇華させた忠実度が高く、かつエレガントなサウンドと、スタイリッシュなデザインを持ち味とする。

自社ブランドのスピーカー開発は勿論のこと、プロフェッショナル分野でのモニタースピーカー開発や、ハイエンドスピーカーブランドへのユニット提供を行なうなど、言わずと知れた世界的なスピーカーメーカーである。また、全製品の開発及び製造を、フランス国内の同一施設内で一貫生産する数少ないスピーカーブランドとしても知られる存在だ。

2012年には同社初となるヘッドホン「Spirit One」シリーズを発表。それを皮切りに、ポータブルヘッドホンやイヤホンシリーズの開発を重ね、ヘッドホン分野でも高い評価を獲得して来た。そして現在、そのラインナップの頂点に位置するのが、今回ご紹介する「ELEGIA」を含むハイエンドラインなのだ。

スピーカーブランドが手掛けるヘッドホンのハイエンドラインに、新たに加わった「ELEGIA」

同シリーズはこれまで、フォーカルのフラッグシップスピーカーシリーズの名が冠され、同社を代表する技術でもあるベリリウム振動板を採用したトップエンドの「UTOPIA」、そしてUTOPIAの技術を引き継ぎつつ振動板にアルミニウム-マグネシウム素材を採用した「ELEAR」、さらに価格を抑えて高いパフォーマンスを実現する「CLEAR」の3モデルが発売された。

そこで培った技術を踏襲すると共に、さらに外出先でもその魅力を楽しみたいというユーザーの声に応えて登場したのが、密閉型を採用しポータブル環境でも充分に駆動できるようチューニングされた「ELEGIA」なのである。

先述の通り、基本構成はこれまでのモデルが踏襲されている。形状はアラウンドイヤー型、つまり耳をすっぽりと覆うタイプで、ドライバーには、素材の特性を最大限に活かす同社独自M字形状の40mm径アルミニウム - マグネシウム・ドーム振動板を搭載するとともに、ボイスコイルにはフレームレスの高純度銅を採用。

注目なのは、インピーダンスが35Ωとなっていること。「CLEAR」の55Ωよりもさらに低く設定されており、DAPなどポータブルプレーヤーなどとの組み合わせにおいても、その性能を発揮できることを念頭に設計・チューニングされていることが特長的だ。長さ1.2mの付属ケーブルも、プレーヤー側端子には3.5mmステレオプラグが装備され、しっかりとした接地感が得られるネジ込み式の3.5mm - 6.3mm変換プラグも付属する。

長さ1.2mの付属ケーブルは、本体同様に高級感のあるデザイン

次ページ立体的な音像に定位描写も明快。フォーカルらしいエレガントで明晰なサウンド

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