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流行りの2カメ型や4Kなど

間違いだらけのドラレコ選び − 本当に必要な機能を見極め、賢く買う方法

2018/11/25 会田 肇
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年末へ向けてクルマで帰省を予定している人も多いはず。本来ならドライブは楽しいひとときなのだが、ドライブは同時に “一寸先は闇” の世界という怖い側面も合わせ持つ。

自分以外のクルマが行き交う中では、たとえ自分自身が気を付けていても、突然、自分の身にアクシデントとして降りかかってくる可能性もあるからだ。

そんなアクシデントを映像と音声で自動記録してくれるのが、ドライブレコーダー(ドラレコ)である。

様々な機種が存在するドライブレコーダー

昨年、東名高速道で「あおり運転」に端を発した悲惨な事故が報道されるとドライブレコーダーへの関心は一気に高まり、調査会社Gfkジャパンによれば、昨年10月は前年同期比で2.6倍、11月は2.4倍、12月は1.7倍と販売台数が急増している。

2018年に入ってやや落ち着いてはいるものの、それでも前年から比べると大幅に増えているようだ。起こり得るアクシデントに対し、ドラレコで記録し対応したいと考える人が増えているのは間違いない。

ドラレコにはどんなタイプがあるのか?

では、ドラレコにはどんなタイプがあるのか。大きく分けるとカメラ一つの「単眼型」とカメラを2台組み合わせる「2カメ型」の2タイプがある。

単眼型のmovio「MDVR108WDR4K」

単眼型は基本的にフロントウインドウに取り付けるタイプで、2カメ型はフロントに加えてリアウインドウ用も備える。単眼型は主として進行方向を捉えるだけだが、2カメ型は後方も撮影することで、いわゆる「あおり運転」を捉えるのに最適な組み合わせとなる。

2カメ型のKENWOOD「DRV-MR740」

一台で前後左右360度を捉える「全天球型」というのもある。これだと前後に加えて左右の様子も捉えられるので、側突にも対応できる。ただしこのタイプは、ウインドウから離れた位置に取り付けることになるため、単眼型や2カメ型に比べると車外の様子を鮮明に捉えられない。同時に自分も含めた車内の様子も映り込むことも知っておこう。

全天球型のyupiteru「Q-02c」

全天球型のドラレコで撮影した映像

これら3タイプをザックリと価格別に見ると、最も高価なのは「全天球型」で、順に「2カメ型」「単眼型」となる。全天球型と2カメ型は販売されている機種数も少ないため、値崩れもあまりない状況で、3〜5万円を中心とする高価格帯が大半だ。一方で単眼型は構造が簡単なことから機種数はかなりの数に上り、2〜3千円から3万円前後までその幅はかなり広い。では、いったい何が違うのか。

走行中の映像と音声を記録するという機能だけを考えるなら、低価格モデルも高価格モデルも同じだ。違うのは、記録される画質と記録容量のほか、センシングで可能となった様々な付加機能だ。それに加えてブランドによる価格差も大きい。単純に言えば、高画質かつ高機能なモデルで有名な国内ブランドは、総じて価格は高めということだ。

また番外編として「カーナビ連動型」というのもある。これは、記録はドラレコ本体で行うものの、その映像はカーナビ側で再生できるというもの。ドラレコはGPSによる位置情報も記録されるので、撮影した位置をカーナビ上に表示しながら再生することも可能となる。自動車メーカー純正ではこのタイプを勧められることが多い。

ドラレコの画質はどう選ぶ?

さて、画質はドラレコにとって極めて重要なポイントだ。画質が良ければ、走行中の記録を鮮明に残せるだけでなく、万が一のアクシデントに対しても状況の把握に貢献する。特に解像度は状況把握に欠かせないスペックで、たとえば当て逃げなどがあった場合は相手のナンバーが鮮明に写ってなければ意味がない。だからこそドラレコはフルHDをやたら謳いたがるわけだ。

対向車のナンバーを鮮明に捉えるには解像度が重要

店頭に行くと大半の機種がフルHD対応。中には4K対応を謳う機種もある。ところが、映像を見てがっかりすることも少なくない。なぜかというと実は、センサーの画素数スペックを満たしていても、肝心の有効画素がその領域に達していないことがあるのだ。加えて映像処理のレベルが低いと、暗くなるとノイズが増え、輝度差が少しでもあると白飛びして細部が判別つきにくくなることもある。こういった問題は、低価格機種で多いようだ。

また高価格帯の機種を中心に、レンズの明るさを強調する場合がある。これは「F値」で表され、数値が小さいほど明るいレンズとなる。ドラレコは夜間での撮影も多いことから、このスペックはとても重要だ。さらに言えば、光を受け止めるセンサーのサイズも大きい方がいいが、そのスペックは残念ながら記載されていないことが多い。

夜間の映像には「F値」が大きな影響を与える

また、画質を向上させる機能としてHDRやWDRがあるが、これはいずれも逆光時の補正機能として使われる。本来HDRはダイナミックレンジを広く取り、明るいところも暗いところも同時に再現する技術だが、リアルタイムで撮影するのは、ハードに相当な負荷がかかる。そこで実際は、全体にコントラストを落として明暗差を少なくしている機種がほとんどのようだ。WDRも考え方は大差ないと考えていいだろう。

HDR機能がオフもしくは装備していないと、逆光時やトンネルの出口などで白飛びしてしまう可能性がある

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