[連載]高橋敦のオーディオ絶対領域

【第213回】外音と音楽、両方聞こえてホントに便利! 『耳を塞がなイヤホン GP 2018』

高橋 敦

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2018年07月18日

BoCo「BT-5」

最後にBoCo「BT-5」は、これまでの音導管方式とは全く異なる“骨伝導方式”での耳を塞がなイヤホン。

遠目には普通にネックバンド型イヤホン?

骨伝導方式とは、“体に接触させた振動子から音を直接的な振動として体に伝え、頭骨を経由して内耳に音を届ける”という方式。中耳や外耳を経由しない「何ぃ!?内耳に直接だと!?」伝達なので、中耳や外耳の障害をスルーする補聴器に活用されていたり、また今回の趣旨である耳を塞がなイヤホンとしても、周囲状況の把握が命に関わる消防士といった仕事に向けての通信機などに実績がある。

だが、これまでは「人の声がある程度しっかり聞こえ、会話が成立すればよし」という用途に向けたものであり、音楽再生で満足できるような再生帯域幅やクリアさを備える製品は皆無だったように思う。

それを振動子自体の改善と最適化イコライジング補正によって、音楽リスニング用として完成させたのがこのシリーズ、その最新ワイヤレスモデルがこれというわけだ。

使用時の見た目はこんな感じ

耳を塞がなイヤホンとしての強みは、耳の穴を塞ぐものが本当に完全に何もない!ということ。イヤホン本体?と言って良いのかわからないが、その部分は耳たぶにクリップで挟むような感じで装着する。耳に入れる部分は何もなく、本当にフルオープン!なので、その点での会話への支障は全くない。

しかし、現時点での骨伝導方式全般の課題のようだが、音漏れは実は意外とある。体感音量を揃えた状態でAirPodsよりも漏れる印象だ。なので、静かな室内ではむしろ相手側にそれが気になって、少し会話の邪魔になるかも……

使い勝手の面でいうと、「耳たぶにクリップ」方式の装着は最初はやはり慣れないものがある。が、Ear Duoやambieが全くの新感覚であるのに対して、これは「耳たぶに」の部分を抜かした「クリップで挟む」のところは普段の生活で慣れ親しんでいる動作。挟む場所や強度の調節など独特のコツはあるが、それを含めても着け外しの違和感は大きくはない。

装着の快適さは、その挟む場所や強さの調節次第だ。そしてそれは音楽の聞こえ方にも影響する。両者の兼ね合いがいい感じになるところを探る工夫は必要だ。

クリップ部分は色々調整可能なので色々試してベターな装着状態を探すべし

イヤホン本体とネックバンドは脱着可能

音楽再生の音調は……普通だ! とは言っても悪い意味ではなく、音楽再生用としてこれまでの印象は「……ないな」という感じだった骨伝導イヤホンなのに、このモデルは「普通のイヤホンと比べて違和感のない音だ!」と好印象を抱いた。

本当にフルオープンな耳を塞がなイヤホン!という強い特長を備えた上で、「普通に聴ける音質」なのだから、十分以上の価値がある。



というわけで、今回は「耳を塞がなイヤホン」という新ジャンルをピックアップし、代表的な製品を紹介してみた。

我のイヤホンに耳を塞がないなどという軟弱な要素は不要ッ!というガチポタユーザーには、あまり興味の湧かないものかもしれない、しかし、これはこれでイヤホンの進化の一つ、チェックしてみるのも良いだろう。

そして「外の音も聞こえるの?何それ便利じゃん!」と素直に感じるユーザーにとっては、実に便利で快適なアイテムになってくれるはずだ。

高橋敦 TAKAHASHI,Atsushi
趣味も仕事も文章作成。仕事としての文章作成はオーディオ関連が主。他の趣味は読書、音楽鑑賞、アニメ鑑賞、映画鑑賞、エレクトリック・ギターの演奏と整備、猫の溺愛など。趣味を仕事に生かし仕事を趣味に生かして日々活動中。


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