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[連載]高橋敦のオーディオ絶対領域

【第207回】安定性◎の完全ワイヤレスイヤホンからガチDACまで、「ヘッドフォン祭2018」高橋敦のベスト5

2018/05/11 高橋 敦
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去る4月28日と29日の土日、恒例「春のヘッドフォン祭」が開催された。初日は茅野愛衣さん「かやふぇしゅ」と重なっていたため僕は二日目に参加したが、通常二日目となれば少しは落ち着いているであろうに、十分に盛況の様子だった!

ということで今回も、その盛況に混じって取材させていただいた中から編集部レポートとは完全独立型で、僕個人の勝手にベスト5ランキングを紹介させていただこう。

【第5位】見るからにガチげなDAC、MYTEC「Liberty DAC」

プロシューマー向けA/DおよびD/A製品分野で揺るぎない評価を得ているブランド、MYTEK Digital。そのコンシューマー向け製品の輸入代理業務がこの春からエミライに移され、より幅広い展開が期待されている(関連記事「A/D変換を知るからこそ、最高のDACが作れる - MYTEK開発者が「Brooklyn DAC+」の優位性を語る」はこちら)。

まず投入されるのは、以下3モデルのDAC/ヘッドホンアンプだ。
Manhattan DAC II 価格調整中(目指せ80万円以下)
Brooklyn DAC+ 価格調整中(目指せ30万円以下)
Liberty DAC 価格調整中(目指せ15万円以下)
個人的な注目機種は最安にして最小の「Liberty DAC」だ。

おおよそのサイズ感としてはブルーレイパッケージを何枚か重ねた程度

MrSpeakers「ETHER C 1.1」をしっかり駆動

というか、うちの学校机デスクトップに設置できそうなサイズのモデルはこれしかない。上位モデルと比べて機能性においての明確な差異としては、プリアンプ機能、ヘッドホンのバランス駆動があり、前者は魅力的なのだが…。

なおLiberty DACのヘッドホンアンプ部だが、MrSpeakersのハイエンド大型ヘッドホン「ETHER C 1.1」との組み合わせでその力を十分に引き出していた。会場試聴程度で実力を測ることはできないが、「必要十分以上」を備えることは確実だろう。

そして何より、見た感じがかっこいい!見るからにガチげ、実に精悍なブラック!業務機的な素っ気なさとオーディオ的な色気が良い具合に融合している。

黒好きにはたまらない、無骨さと洗練を共に感じさせる絶妙の仕上げのブラック

ブランドのイニシャルは通気グリルでさりげなく主張

【第4位】育ち盛りの完全ワイヤレス、注目の新製品

完全ワイヤレスイヤホンは根本的な課題「伝送の安定性」への対応がまだまだ成熟には至っていない分野。だからこそ新しい世代の製品ではそこに期待が集まる。今回のヘッドフォン祭でもその期待に応えてくれそうな新製品がいくつか登場した。

といっても、伝送の安定性は一箇所での短時間での試聴で推し量れるものではない。ここでピックアップするのは実は、他の機会にチェックさせていただいており、その時の感触が「こいつ、いけそうだぞ」だった2製品だ。

一つめはNUARL「NT01」実売1万5,000円程度。

ボタンの押しやすさなど本体細部までの完成度も高い

ケースもかなりコンパクトな部類

こちらは平日21時から22時の間あたりのJR中央線都心部にて、東京駅や新宿駅の通過時も含めて音切れが一度も起きなかった。当日の当たりどころが良かっただけで、当たりどころが悪ければ二度や三度は途切れたのかもしれない。しかし二度や三度途切れたとしても、現在の完全ワイヤレスの中でトップクラスであることに変わりはない、見事な安定性だ。

ただしケースの安定性には少し不安もある。出し入れに伴う電源のオンオフや、充電開始が少し暴発しがちな印象もあった。バッテリー残量はLEDランプで分かりやすく表示されるので、そこはこまめにチェックしておくと良いだろう。しかし、それを差し引いても魅力的なほどの“安定性”だ…!

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