[連載]高橋敦のオーディオ絶対領域

【第200回】ラズパイオーディオの新基準!AVIOTのケース&ボード「CASE 01」「DAC 01」を試す

高橋 敦

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2018年01月12日
ラズパイオーディオの可能性と課題、そして……

昨今、オーディオにおいてもパソコンにおいても「自作」という趣味は以前ほどには盛んではないが、様々な分野の自作マインドを色濃く受け継ぎそこを刺激するアイテムとして注目されているのが、シングルボードコンピューター「Raspberry Pi」だ。

一言で言えば「カードサイズの超小型コンピューターボード」。しかしラズベリーパイ財団はこれを「安価な」「教育用の」シングルボードコンピューターとして開発し提供している。そこがポイントで、“ラズパイ”は安価な上に教育用としての汎用性も備えていることから、様々な分野の自作趣味の人々からも歓迎されているのである。

自作マインドをくすぐるシングルボードコンピューター「Raspberry Pi」

オーディオにおいても、ラズパイには様々な可能性が見出されている。パソコンのオーディオクオリティを引き上げるには、時にパソコンとしての汎用性を捨て、オーディオに特化した、他に使い回せない専用機としての仕様を持たせる必要もある。それをフルサイズのパソコンで組み上げるとなると、お金もかかるし置き場所も悩ましい。対して超小型かつ安価なラズパイなら、それが叶うのだ。

とはいえ、前述のようにラズパイもそれ自体は汎用性を重視したコンピューターボードであり、オーディオ仕様に組み上げるにはいくつかの難関、重要なパーツがある。その最たるものが「オーディオグレードのケースとDAC拡張ボード」だ。そしてその二つの難しさは互いに関連している。

ラズパイ本家で規格化されているのは、ラズパイ自体のボードの入出力の仕様や端子の配置のみ。ラズパイに重ねて装着して機能を追加する拡張ボードの大きさ、端子の種類や配置は、拡張ボードの設計者に任されている。当然ケース側でも、想定するべき拡張ボードのサイズ、拡張端子用の端子穴の配置なんてものは規格化されていない。

なので「オーディオグレードのケースとDAC拡張ボード」を製品化するためには、ケースとボードでサイズや端子配置を意図的に揃える必要がある。セットで設計して販売すれば問題ないが、ケースもボードも他とは組み合わせられない専用品になってしまう。使い回しの効かない高額製品は歓迎されないし、歓迎されないものは製品分野として長くは続かない。

そこで発足されたのが「ワンボードオーディオ・コンソーシアム」(公式サイト)だ。

コンソーシアム規格のケースとボードが登場!

詳しくはこちらの記事(「ワンボードオーディオ・コンソーシアム」設立。発案者・海上忍が語る趣旨と今後の活動)、そしてその前後の海上氏の連載を参照してもらうとして、つまりは「コンソーシアムの規格に沿って設計されたケースとボードの間では互換性が確保される」という環境の確立を目指したものである。ケース側の端子穴を交換パネルとすることで、ボード側に搭載する端子の種類や配置などへの柔軟性も確保してある。

というわけで今回は、そのワンボードオーディオ・コンソーシアム設立を主導した海上氏のプロデュースによるケースとDACボードをチェックしていこう。どちらもコンソーシアム規格に準ずる製品としては第一弾であり、今後の製品の基準となることを期待される位置付けともなる。このケースとボードを知ることで、コンソーシアム規格、そしてラズパイオーディオの可能性を知ることができる……はずだ!

そのケースとボードがこちら。
AVIOT「CASE 01」(税抜14,880円にて発売中)
AVIOT「DAC 01」(近日正式発表&発売予定)

ケース、AVIOT「CASE 01」。普通に見た目かっこいいのも強みだが、その真価は綿密な設計とその具現化精度

DACボード、AVIOT「DAC 01」。去年末のツイートにて「出荷は年明けになります m(_ _)m」とのこと。今回はサンプル製造品をお借りしてのテスト

早速組み立て開始。まずはケースをチェック

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