海上忍のラズパイ・オーディオ通信(33)

5ドルで買える「Raspberry Pi Zero/Zero W」でラズパイオーディオを楽しむ

海上 忍

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2017年07月03日
オンボードでワイヤレス対応の「Zero W」登場

本連載で「Raspberry Pi」といえば、4基のUSBポートと1基のEthernetを名刺大のボードに搭載した「Raspberry Pi 3 Model B」か「Raspberry Pi 2 Model B」を指すことが暗黙の了解だ。いまや量販店でも“吊るし”の状態で購入できる入手性と、圧倒的なコストパフォーマンスの高さを考えれば、当然の帰結ともいえるだろう。

Raspberry Piには他の選択肢もある。第18回で紹介した「Raspberry Pi Zero」(関連記事)はその筆頭だ。USB 2.0ポートは1基のみ(2基あるが1基は電源供給専用でデータ通信付加)でEtehrnetポートは省略、SoCは初代Raspberry Piと同じシングルコアのBroadcom「BCM2835(ARM11)」、メモリサイズも512MBと控え気味ながら、ハイレゾ再生にも耐えうるパフォーマンスを実現する。ハンダ付けは必要となるが、GPIOによる拡張性も備えている。

今年2月、Zeroの亜種ともいえる「Raspberry Pi Zero W」が登場した。SoCやUSBなど基本スペックは素のZeroと同じだが、IEEE 802.11 b/g/n(2.4GHz)およびBluetooth 4.0対応のワイヤレスチップが搭載されている。素のZeroでは手間がかかったストリーミングサービスの利用や、スマートフォン/タブレットをリモコン代わりに使うことも容易だ。

ミントタブレットサイズ(?)の「Raspberry Pi Zero」にワイヤレス対応版が加わった(写真は非対応版)

しかし、Zeroの5ドルという価格設定は、部品構成を見るに利幅が薄いことは確かだろう。その証拠に、発売から1年半が経過した現在でもZeroの入手性は低く、ヨドバシやビックでも購入できるようになった“ノーマルのラズパイ”に比べ、取り扱うショップは格段に少ない。取り扱いがある場合でも在庫があれば良い方で、購入時には1人1台までという制限を設けるショップが大半だ。信頼できる筋の情報によれば、Zeroの製造は採算がかなり厳しいらしく、それを踏まえるとライセンス生産を行う業者が増産へ前向きになるとは考えにくい。

一方のZero Wは、ワイヤレス対応という大義名分(?)があり、ターゲット価格は2倍の10ドルに設定されている。技適を取得すれば日本国内でも流通が始まるのだろうが、GPIOを使うためにはピンソケットのハンダ付けが必要なことは変わらず、USBポートはmicroBのためUSB DACなどの周辺機器も扱いにくい。SoCの性能やメモリ容量という基礎体力のこともあり、数千円足して“ノーマルのラズパイ”を選ぶほうが現実的と思えてしまうのだ。

Zeroで拡張ボードを利用するためには、GPIOピンソケットのハンダ付けが必要。ケースの選択肢も“ノーマルのラズパイ”以上に少ない

Zero/Zero W向けDACボード『SabreberryDAC ZERO』のココが良い!

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