【特別企画】Sound Reality Sereiesの新モデルを聴く

高橋敦が聴くオーディオテクニカ「ATH-SR9」。現時点での決定版オールラウンダー・ヘッドホン!

高橋 敦

前のページ 1 2 次のページ

2016年11月18日
オーディオテクニカが“音本来の豊かさ”を追求した製品を揃える「Sound Reality series」から、この秋冬にワイヤレス/ワイヤード合わせて8つの新ヘッドホンが登場する。フルデジタル伝送&aptX HD対応という新フィーチャーを搭載した華々しいBluetoothヘッドホン「ATH-DSR9BT」「ATH-DSR7BT」の影に少し隠れがちだが、"高音質"さにおいて同格以上の実力を持つのが、有線ヘッドホン「ATH-SR9」だ。音のよい"普通"のヘッドホンがほしいユーザーなら見落とせないモデルと言えるだろう。

ATH-SR9

そしてATH-SR9は、型番は少し違うが実質的に「ATH-MSR7」(2014年発売)の上位機にあたる。MSR7と言えば発売当時“ハイレゾ時代の新標準ヘッドホン”として高い評価を得たモデルだ。そちらとの比較も交えつつ、まずは技術的なポイントを見ていこう。


専用開発の新ドライバー&基本設計ブラッシュアップで音質向上

心臓部であるドライバーには「φ45mm"トゥルー・モーション"ハイレゾ・オーディオドライバー」を採用。MSR7も同じ名称で同じ45mm口径のドライバーを搭載しているが、こちらは本機専用の新設計品だ。さらに「純鉄一体型ヨーク」、高純度の「7N-OFCボイスコイル」といった、この価格帯でこその部材に加え、DLC(Diamond Like Carbon)コーティングを施した振動板も採用。より強力で俊敏な磁気回路でより剛性の高い振動板を駆動するという、真っ当な手法での高音質化だ。数値的にも、MSR7は5Hz〜40kHzだったが、SR9では5Hz〜45kHzへと再生周波数帯域を伸ばしている。


ハウジング部では「ミッドポイント・マウントテクノロジー」を採用。振動板の前後に均一の音響空間を設け、そのあいだをダンパーで仕切る新設計で、不要な低域成分の伝播を最適化する。ハウジングを大型化することなくドライバーの性能をしっかりと引き出している。「デュアル・アコースティックレジスター」「トリプルベントシステム」といった音響抵抗や空気孔を活用してチューニングを仕上げてあるMSR7に対して、SR9の「ミッドポイント・マウントテクノロジー」はより根本的というか、チューニング以前の基本設計の時点での対策を深めてきた印象だ。


なおこのハウジングとスライダーはアルミ製。硬質アルミのハウジングをがっしりネジ留めし、不要振動による歪みを抑制してある。しっかりとしたつくりだが、手にすると意外と軽い。実は数値的にもMSR7より軽量(MSR7は290g、SR9は270g)。イヤーパッド周り含めて装着感も、良好だったMSR7に引けを取らない。

新モデル「ATH-SR9」(左)と、既発売の「ATH-MSR7」。デザインの基本はほぼ同じだが、ドライバーや内部構造などブラッシュアップを重ね、更なる高音質を実現している

最後にケーブルだが、MSR7では片出し3.5mm/3極だったところ、こちらでは同社独自のA2DC端子での両出しになった。スマホ用ケーブルも付属する点は変わらない。

ケーブルはオーディオテクニカ独自のA2DCコネクターによるリケーブルに対応。ストレートケーブルに加え、スマホ用のマイクリモコン付きケーブルも同梱されている


オーディオテクニカらしい音に低音の迫力もプラス!

では音の印象。始めに簡単にまとめると、
「オーディオテクニカらしさ溢れるクリアネスとシャープネスにゴリッとした低域の迫力もプラス!」
オーディオテクニカの他のモデルを例に出すなら、
「ATH-MSR7とATH-WS1100を足して1.5で割ったような方向性とクオリティ」
という感じだ。2ではなく1.5で割れるのは両モデルの倍の価格帯だからこその贅沢か。

音質傾向の詳細をチェック

前のページ 1 2 次のページ

関連記事