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開発者インタビューも

<IFA>ソニーの“全部入り”ヘッドホン「MDR-1000X」を、音質からノイキャン性能までレビュー

2016/09/03 山本 敦
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高い完成度を誇る“全部入り“モデルが、強豪ひしめく価格帯に投入された

MDR-1000Xは、h.ear on Wireless NCの段階で確立したワイヤレスとノイズキャンセリングの機能面をさらに発展させながら、音質的にもプレミアムモデルであるMDR-1ABTの上質さに磨きをかけた、完成度の高い全部入りヘッドホンだ。

欧州の販売価格はすでに発表されていて、400ユーロ前後(=45,000円前後)になるとのこと。日本で発売されれば、この価格帯はライバルとなる人気の全部入りヘッドホンがひしめくエリアだ。機能の豊富さではパロットの「Zik 3」やJBLの「EVEREST ELITE 700」あたりと対決になりそう。

また装着性にデザイン、ノイズキャンセリング性能など総合力で“ガチンコ対決”になりそうなのはボーズの「QC35」かもしれない。これらのライバルに対して、ソニーならではの「ハイレゾ対応」を有線・無線の両面でどれほど鮮烈に打ち出せるかが、MDR-1000Xが勝ち抜くための鍵だろう。いずれにせよ、今年の秋に揃う「全部入りヘッドホン」の中で大きな注目株の一つになることは間違いなさそうだ。

Signatureシリーズのフラグシップヘッドホン「MDR-Z1R」にも要注目!

本稿の最後に、IFAで発表されたソニーの最上級ヘッドホン“Signature”シリーズ「MDR-Z1R」の開発を担当した潮見俊輔氏に訊ねた、本機の音づくりのコンセプトについて触れておこう。

「MDR-Z1R」が掲げるサウンドポリシーは「空気感の表現」である。潮見氏はこれを「弱音の再現性とも同義」だと説明する。「再生周波数帯域は4Hz〜120kHzと非常に幅広く設計しています。ただ、その幅の広さだけでなく、極小な音まで再生できるヘッドホンをつくることがテーマでした」

70mm口径の大型ドライバーユニットに、新しい振動板素材やグリル形状を採用したことが空気感の再現につながっているという。会場でヘッドホンアンプ「TA-ZH1ES」と組み合わせて試聴できたサウンドは、まさにアーティストの呼吸までも身近に感じさせ、生々しい空気感と圧倒的に濃い情報量を特長としていた。本機の詳細についてはファイル・ウェブ編集部のインタビューにバトンタッチしたい。

(山本 敦)

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