<山本敦のAV進化論 第43回>ハイレゾに迫る音質は本当か

ソニーの“ハイレゾ相当”コーデック「LDAC」の実力とは? 最新ヘッドホン「MDR-1ABT」で検証

山本 敦

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2015年02月10日
ソニーがCESで発表した、ハイレゾに迫る高音質なワイヤレスオーディオ再生を実現する新コーデック「LDAC」。これに対応するヘッドホン「MDR-1ABT」が日本でも3月21日に発売されることが決まった(関連ニュース)。先週のウォークマン「NW-ZX2」のレビュー(関連記事)で紹介できていなかったLDACの音質を、今回はMDR-1ABTとの組み合わせでチェックし、報告しよう。

LDACに対応するワイヤレスヘッドホン「MDR-1ABT」。カラーバリエーションはブラックとシルバーの2色が揃う

■ハイレゾ相当の“いい音”をワイヤレス再生で実現

LDACはソニーが独自に開発した、ハイレゾに迫る高品位なサウンドをBluetoothをベースにしたワイヤレス環境で実現する新コーデックだ。

その特徴は最大96kHz/24bitまでのハイレゾオーディオ信号を圧縮して、Bluetoothの音楽再生プロファイルである「A2DP」の標準コーデックである「SBC」の328kbpsと比べて、最大約3倍の情報量となる990kbpsのビットレートでワイヤレス伝送できるところにある。Bluetoothの規格上限である1Mbps以内にデータを圧縮する必要があることから、LDACの場合も非可逆圧縮方式が採られているため音質劣化は伴うものの、限られた1Mbpsの中で最大限の高音質を引き出せるコーデック設計としている。同じ44.1kHz/16bitのオーディオデータを伝送する場合も、LDACの990kbpsの方がSBCよりも多くの情報量を送ることができるため、音質向上が期待できる。なおプレーヤーから192kHz/24bitのファイルを伝送する際には、いったん96kHz/24bitにダウンコンバートした後にLDACで伝送する仕様だ。

LDACの再生品質は3種類から選べる

■LDAC対応プレミアムヘッドホン「MDR-1ABT」の特徴

本機のベースになっているのは昨年秋に発売されたプレミアムヘッドホン「MDR-1A」(関連ニュース)であり、40mm口径のHDドライバーと、振動板にはアルミをコーティングしたLCP(液晶ポリマー)を搭載している。兄弟機にはハイレゾ対応のUSB-DACを内蔵した「MDR-1ADAC」もあるが、本機はBluetoothベースのLDACを搭載するワイヤレスヘッドホンというポジションだ。前機種の「MDR-1RBTMK2」にも採用された、圧縮音源再生時の音質を補完する「DSEE」やフルデジタルアンプ「S-Master HX」もヘッドホン用に最適化したものを搭載している。

正確で力強い低域のリズム感を再現するビートレスポンスコントロールのポートが搭載されている

マイクが内蔵されているので、スマホとペアリングして使う際にはハンズフリー通話が行える

ワイヤレスオーディオ再生のコーデックは、LDACのほかにAACやaptXもサポートするので、LDAC非対応のプレーヤー機器やスマートフォンとの組み合わせでも高音質再生できる汎用性の高さが魅力だ。さらに、本体付属のケーブルを挿せば有線リスニングも行える。なお高域の再生周波数帯域の上限は有線時で100kHz、LDAC再生時が40kHz、SBC再生時は20kHzと異なる。

付属のケーブルをつないで有線リスニングも行える

充電用のmicroUSBポート

LDAC再生の音を聴いてみた

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