本格ナビやApple「CarPlay」に対抗できるか?

Googleのカーナビ「Android Auto」ついに上陸!使い勝手&精度を試してみた

会田 肇

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2016年07月22日

車線ガイドも画面上で行い、分岐点までの距離が数値で表示される。大半の場所ではこれでまかなえそうだが、日本では五差路や六差路、接続が特殊な形状など複雑な交差点が多く、不慣れな状況下では迷うシーンも出てきそうだ。

高速道路上では合流地点を音声と表示によってガイド。文字も見やすく不安はなかった

自車位置精度はどうか。実はCarPlayではトンネル内に入るとGPS信号をロストし、自車位置を見失う結果となっていた。それだけにAndroid Autoの結果に興味津々だったが、意に反して正確に自車位置をトレースすることができていた。意地悪をしてトンネル内での分岐も走行してみたが、ここでも問題なし。

トンネルが9.6kmに渡って続くアクアラインでも正確に自車位置を刻んで見せた

パナソニックによれば「グーグル側でどう使うかは不明だが、USBを介して車両側で供給される車速パルスを送信する仕様にはしている」とのこと。つまり、Android Autoでは車速パルスも反映した測位を実現していたことになる。これはスマートフォンで使うナビアプリとしても画期的なことだ。

ただし高低差までは認識できないようで、高架道路と並行する道路を走行すると誤認識を立て続けに行ってしまった。一度捕捉した自車位置をどこまで保持したらよいか、その辺りのアルゴリズムはまだ不足しているようだ。

高架道路と並行する道路を走行すると自車位置に迷いが発生。誤認識が繰り返された

地図表示はCarPlayのように立体地図を表示することなく、シンプルで見やすい。地図を地図として使う姿勢がわかりやすさを生み出していると言っていいだろう。

■CarPlayにはないAndroid Autoならではのメリット

ところで、ここで知っておくべきは、Android Autoは基本的に車載ナビとは別モードで動作しているということだ。そのため、車載ナビが得たVICSなどの情報をAndroid Autoに反映することはなく、基本的にナビゲーション機能は独立した形で動作する。この関係はCarPlayとも同じで、利用時はあくまで車載機内の一つのモードとして切り分けて使うことになるのだ。

ルートガイド中はVICSとは異なるGoogle独自の交通情報がルートガイドに反映される

ただ、Android Autoでは一部ガイド機能について、音声を割り込ませることも可能としている。CN-F1Dの場合は、踏切案内やETCの料金案内といったガイドが音声で反映されていた。

また、Googleマップで収集した独自の交通情報が利用できるのは、CarPlayにはないメリットだ。目的地までの所要時間もルート別に時間差が表示され、最も早いルートを水諸ルートとしてリコメンドされる。

この交通情報はGoogleマップを利用しているユーザーの行動から反映したもので、いわゆる“ビッグデータ”と呼ばれるものの一つ。VICSとは異なるが、少なくとも対象道路はそれよりも広い。その意味でこの部分での実用性は充分高いものと推察する。



端的に言ってCarPlayと同様、ボイスコントロールを使った操作が高い実用性を発揮していたのは間違いない。クルマでの操作は安全が第一で、画面上で操作する従来の方法では当然ながら走行中は制限が課せられる。それがボイスコントロールでの実用性を大幅に高めたことで走行中でもコマンド入力が可能となり、ストレスの少ない操作につながるのだ。

この操作環境は一度使ったら止められない快適さがある。その意味でスマートフォンとして使うナビとしてAndroidAutoは充分に合格点に達していると言っていいだろう。

しかし、カーナビゲーションとしての信頼性となると、AndroidAutoは従来の車載ナビに追いついていない。複雑な道路でのガイドはまだ物足りないし、高低差の認識も未対応だ。

よく「スマートフォンで使うナビは投資が少ないだけに初心者向け」と言われることがあるが、複雑な道路でも正しい判断がつくような人でないと本当の意味で使いこなすのは難しいのも事実。日本でAndroid Autoが搭載される車載機の全てが高精度な従来型のナビゲーションを備え、切り分けて使えるようにしているのもそうした背景があるのだ。

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