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【特別企画】CHORD「DAVE」など注目DACと組み合わせテスト

LUMINのネットワークトランスポート「U1」を、“今聴くべきDAC”4機種と組み合わせ試聴

2016/06/16 土方久明
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■組み合わせ4 MSB Technology「ANALOG DAC」
DACの音楽性の高さを改めて実感。S/PDIF接続も好相性

最後は、MSB Technologyの「ANALOG DAC」との組み合わせを試す。MSBのDACといえば、刄ー変調やノイズシェービングなどの信号処理を必要としない、ラダータイプのマルチビットDACを搭載していることが大きな特徴となっている。本機はその最新モデルとして「ディスクリート・サインマグニチュード・ディスクリートDACモジュール」を2個搭載することや、超高速80bit演算能力を持つSharc DSPの搭載など、近年における高性能ハイエンドDACの一翼を担う。

MSB Technology「ANALOG DAC」本体(ボリューム付き/Desktop Power Supply付き、指定デジタル入力1系統付き):¥1,086,000(税抜)、電源をAnalog DAC Power Bseeに変更(Desktop Power Supplyに代えて):410,000円(税抜)

今回、ANALOG DACに別売の高品質電源ユニット「Power Base」を追加し、U1と組み合わて試聴を行った。シューベルトはMacBookからの再生に比べて、少々ブライトなトーンバランスに変わる。しかし、音が滑らかであり音楽性が高い。

ANALOG DACとU1を組み合わせたところ

エミリー・クレア・バーロウは、一聴してボーカルがリアルで、音像は等身大かつシャープに定位する。ボーカルのアンビエントも美しく、涙腺を刺激するような素晴しい表現力に感銘を受けた。デジタル臭さを感じさせず、DAC部の性能の高さが音楽性に寄与しているのだろう。製品名の由来を改めて思い出したが、普段聞いてる楽曲がさらにに魅力的に聞こえるのが何より嬉しい。またU1と同軸デジタルで接続を行うと、聴感上レンジが若干広くなりさらに癖のない音になった。USB接続が主流となる中、まだこの接続方式にも良さがありそうだ。

オーディオルームにパソコンを持ち込むことに違和感があるハイエンダーにもお薦め

U1と高音質なUSB-DACを組み合わせるメリットは大きい。今回レビューを行ったアキュフェーズ、ラックスマンを始め、多くのハイエンド・メーカーは現時点でネットワークプレーヤーをラインナップしていないが、そこにU1をトランスポートとして組み合わせれば、極上の操作感で高音質DACを利用できる。結果として音楽と自分の距離が近くなる。オーディオルームにパソコンを持ち込むことに違和感があるハイエンダーにもお薦めだ。

なお、日本販売元のブライトーンではU1の貸し出しも対応しているとのことなので、DACとの相性が気になる方は試していただきたい。

また、今回の視聴での嬉しい発見は、U1からの同軸デジタル出力の音が優れていたこと。今回は試していないが、この音質を備えているのであれば、本機のダウンサンプリング機能を利用して、様々なフォーマットを44.1kHzのPCMに変換、そして個性豊かな音質の古いDACに入力することも可能である。本機の使い道は多そうだ。

(土方久明)


特別企画 協力:ブライトーン

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