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海上忍のラズパイ・オーディオ通信(12)

音質だけでなく操作感も劇的進化! ラズパイオーディオを動かす「Volumio 2」開発版を試す(後編)

公開日 2016/03/30 10:00 海上 忍
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Linuxカーネルのバージョンは「4.0.6-v7+」から「4.1.19-v7+」に更新、本稿執筆時点における最新のNOOBS(Raspberry Piの公式OSインストーラ)に応じたカーネルを採用している。実際に検証はしていないが、Raspberry Pi公式のLinuxディストリビューション「Raspbian」はRaspberry Pi 3での動作確認が取れていることもあり、同じカーネルバージョンとなったVolumio 2も同様に動作すると考えられる。

ただし、MPDのバージョンはv0.19.9とBeta 2から変更はなく、ALSAのバージョンも1.0.27のまま。RC1の段階でこの状況だとすると、リリース時点でDSD 512を公式サポートすることはなさそうだ。

一方、ラズパイ・オーディオにおいて操作の要といえるWEBインターフェイス(PCやスマートフォンから遠隔操作するための画面)は、かなり変わった。アルバムアートワークの自動取得やフォーマット種の表示など、再生に関する機能はBeta 2と大差ないが、設定項目が見直されているのだ。

Volumio 2ではWEBインターフェイスが大幅に改良され、アルバムアートワークの自動取得が行われるようになった

具体的には、「ALARM」と「SLEEP」というメニューが追加され、目覚まし時計代わりに利用可能となった(個人的に興味はないが)。システムメンテナンス用に、「Delete User Data」と「Factory Reset」というメニューも追加されている。Volumioというシステムが目指す方向性が垣間見えるようだ。

オーディオファイル向けの機能としては、前バージョンのVolumioより後退した部分がある。まず、DSD再生ではDoPを有効にするスイッチが見当たらない。MPDそのものはDoPに対応している(Volumio 2ではそのようにビルドされている)ので、理由はさておきWEBインターフェイスでは省略したのだろう。

アップサンプリングやカスタムカーネルを選択する項目も消えてしまった。直接/etc/mpd.confを編集すれば解決する話ではあるが、音質のカスタマイズに関する機能をユーザから見えなくする判断を下したのであれば残念だ。

/etc/mpd.confを直接編集すればDSDをDoPで再生可能になるが、WEBインターフェイス上からスイッチは消えてしまった

DSD(DoP)再生を行う場合、現時点ではテキストエディタを使い/etc/mpd.confに「dsd_usb

次ページとはいえ、USB DACの互換性向上などによる大きなメリットもある

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