海上忍のラズパイ・オーディオ通信(1)

5,000円の手のひらコンピュータ「Raspberry Pi」で自作オーディオを始めよう!

海上 忍

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2015年07月03日
Raspberry Pi(ラズベリー・パイ)というコンピュータがある。手のひらに載るほどの大きさの、いわゆるワンボードコンピュータだ。基板のみでケースもない、当然キーボードもマウスもない、見るからにギーク向けのデバイスだが、然るべきオーディオ機器を然るべき手順で設定すると……驚くなかれ、これがにわかには信じ難い音を出す。ウェブ媒体という性格上、論より証拠とはいかないが、まずは筆者が「ラズパイ・オーディオ」を実践するに至った経緯からお話したい。

■最新型「Raspberry Pi 2」はイケる!

Raspberry Piは、そもそも基礎的なコンピュータサイエンスの学習支援のために設計されたコンピュータだ。ムダな部分を徹底的に削ぎ落とした手のひらサイズの基板には、ARMアーキテクチャのSoCを搭載、USBポートにキーボードとマウスをつなげばLinuxなどARMで動作するOSによりコンピュータとしての役務を提供する。LANポートの有無、HDMIポートの有無などモデルや世代による違いはあるものの、"ベア・ボーン感"は変わらない。

Raspberry Piは基板単体で販売されている。税込みで5千円程度と格安だ

別売のケースに載せたところ。固定するにはM2x8ミリのタッピングビス(自分で探してくるしかない)が必要だ

筆者はしばらく前に第1世代のRaspberry Piを手に入れ、時間を見つけてはイジり回していたのだが、当時はオーディオに使おうとは考えなかった。

第1世代機がオーディオに使えないか試してはみたが、CPUがシングルコアのARM 1176JZF-S 700MHzと少々パワー不足だったこと、USBポートが2基しかなく(USB DACやUSBメモリの利用を考えると)Wi-Fi対応の余裕がなかったこと(機動力が売りなだけに据え置きでの利用やUSBハブでの拡張は避けたい)がその理由だ。USB DACを接続するなどしてハイレゾ再生も試みたが、楽しさよりも手間に感じる部分のほうが多く、いつしか自分の中では"沙汰止み案件"と化していた。

それから約1年後、第2世代「Raspberry Pi 2」の発売で考えは一変。CPUはクアッドコアのARM Cortex-A7 900MHzに代わり、アップサンプリング再生も視野に入ってきた。なにより、4基に倍増したUSBポートがあれば、USBにWi-Fiドングルを挿してワイヤレス化し、USBメモリ上の楽曲を再生しUSB DACから音を出す、といった使い方が可能になる。しかもmicroSDカードやバッテリーなど必須アイテムを含めた初期費用は、USB DACを除けば1万円にも満たない。これはイケる、そう確信した。

Raspberry Piでハイレゾ再生!

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