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バランス駆動ヘッドホンアンプの音質もチェック

ハイエンドオーディオ技術を卓上サイズに凝縮。AYREのDAC/ヘッドホンアンプ「CODEX」を聴く

公開日 2016/03/17 12:01 岩井喬
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ヘッドホン組み合わせ試聴<3>ソニー「MDR-Z7」
通常駆動ではウォームな傾向。バランス駆動では透明度が増した

2つ目のモデルは密閉型の人気モデル、ソニー「MDR-Z7」だ。標準的なアンバランス接続では70mmドライバーが繰り出すどっしりとした低域の響きと、高域にかけての倍音表現により、絶妙なバランスでソリッドにまとまる音像が成立。ロックでは、ベースやキックドラムが力強いリズムを刻む。ボーカルのボトムも厚みがあるが、口元はスマートに描かれる。オーケストラは重厚でゴージャスな旋律を楽しめ、ピアノも低域方向の胴鳴りと高域のマイルドなタッチが耳当たり良い。弦楽器はカラッと抜けが良く、輪郭を引き締めている。全体的にウォームな傾向にあるといえるだろう。

SONY「MDR-Z7」¥OPEN(市場想定価格円56,000前後)

バランス駆動には、MDR-Z7に付属しているバランス駆動用ケーブルを用いた。やはり低域の締まりが向上し、高密度でありながらすっきりとした音像表現へと変わる。エレキギターのボトムも深く沈み、ディストーションも粘りよく描く。管弦楽器の旋律は流麗なハーモニーを聴かせ、透明度の増した音場にブライトに浮き上がる。全体的に分離良く落ち着いた安定感あるサウンドだ。5.6MHz音源ではボーカルも丁寧な質感で描かれ、潤いに満ちた有機的な表現を味わえた。

ヘッドホン組み合わせ試聴<4>ベイヤーダイナミック「T1 2nd Generation」
バランス駆動では、600Ω ヘッドホンを高S/Nかつ音離れよいサウンドで鳴らす

3モデル目は、600Ωというハイインピーダンス・モデル、ベイヤーダイナミック「T1 2nd Generation」だ。CODEXと本機の組み合わせでは、低域方向が高密度で引き締められ、高域は輝きのある鮮明なサウンドとなる。解像度が高く、見通しのよい深い音場が展開。管弦楽器はアタックの素早いストレートな表現で、やや硬質な響きとなる。ローエンドは適度な弾力とタイトさを兼ね備えている。倍音の伸びも含めて、クールで爽やかな余韻に満ちており、ボーカルもはきはきとしたブライトな艶を持つスマートな描写だ。

beyerdynamic「T1 2nd Generation」¥OPEN(市場想定価格130,000円前後)

T1 2nd Generationは第二世代となり、低域の豊かさや高域の素直さのベクトルも高まったので、前モデル「T1」ほど硬くエッジの効いた音色にはならないが、今回比較した他モデルよりはハードタッチな傾向となった。CODEXにはゲイン切り替えなどは用意されていないが、シングルエンド接続でも音量は十分に確保され、駆動能力も問題ない。

本文中にあるとおり、変換ケーブル→変換プラグとやや煩雑な構成で接続して試聴したが、バランス接続の優位性は十分に確認できた

バランス駆動は、オプションケーブル「B CABLE T1 2G」と4ピンXLR→TRS×2変換ケーブル、φ6.3mm→3.5mm変換プラグという経路で接続。シングルエンドと比較してS/Nが向上し、音離れの良い適度に硬さのほぐれた音色となった。オーケストラも一音一音クリアかつ抜けがよく、各楽器の音色をしっかり描き分ける。低域はタイトだが、ウッドベースはむっちりとした弾力を生む方向に働き、耳馴染みもよい。ボーカルは若々しい響きが増し、落ち着きがある鮮明なタッチで再現された。

次ページUSB-DAC/プリアンプとしても圧倒的な実力を発揮

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