プリ&モノラル/ステレオパワーアンプをレビュー

これが“北米ハイエンド”の実力。SIMAUDIO「MOON Neo」のセパレートアンプを聴く

井上千岳

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2016年02月29日
モノラルパワーアンプは余裕の駆動力で実在感が各段に向上

モノの400Mはさすがに余裕が出る。S/Nも上がる。音色や音調に変化はないが、再現力という点では明らかに変わるのである。このあたりが余裕というものの成果で、端的に言えば実在感が向上するということだ。

ピアノはタッチの彫りが深まったように感じられる。バロックもヴァイオリンの一音々々がやはりたっぷりした鳴り方をする。併せてリュートやオルガンのような聴こえにくい音も明確になる。つまり立ち上がりのエネルギーが豊かなのだ、それが一音ごとの深さにつながっている。オーケストラではさらにダイナミズムのスケールが違う。低音弦の深さと厚み、金管やティンパニーの瞬発力など、文句なしの出方である。スピードも速く、切れがいい。

次にモノラル・パワーアンプ「Neo 400M」を組み合わせて、そのサウンドを確かめた

ジャズでは音量が倍になったような力強さを感じる。音数も増えているのか、トロンボーンやハイハットなどの音の端々に鮮やかなディテールが加わっている。譬えて言えば、四角な箱の隅々まで中身が詰まっているのと、角が空いているのとの意外といえばいいか。そのエネルギーの差はおそらく倍ぐらいになるのである。ボーカルも同じことで、表情の出方がいっそう濃密になる。音楽が近づいてきた印象である。

デザインも含めて、いい意味での米国ハイエンドらしさを堪能した気がする。こういうブランドはもう数少なくなった。ぜひ多くの人に知ってもらいたいものである。

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