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新生Technicsのサウンドを手頃な価格で − “プレミアムシステム”「C700シリーズ」を聴く

公開日 2014/11/28 12:00 鴻池賢三
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SU-C700に入力されたデジタル信号は、ジッター低減、ノイズシェーピング、そして、デジタルアンプの要であるPWM変換時の誤差を低減して元の音楽信号の波形に近づける「JENOエンジン」に送り込まれ、生成された高精度な768kHzのPWM信号がパワーステージの素子に伝えられて電力を増幅し、スピーカーを駆動する力となる。一般的なDA変換とAD変換を介するD級アンプとは異なり、全てがデジタル領域で処理される「フルデジタル」であることに注目したい。

フルデジタルアンプ「JENO Engine」を搭載。ノイズやジッターの影響を受けずに増幅が行える

もう一つのトピックはLAPCで、これは、再生周波数によって変化するスピーカーのインピーダンス特性を測定しておき、再生時に補正する機能だ。一般的な負帰還を用いる方法とは異なり、高域の位相特性に悪影響を与えない点で、優れたアイデアと言える。スピーカーを交換してもLAPCを実行すれば安定した駆動ができるのは面白い。

LAPC(Load Adaptive Phase Calibration) の概要

補正は音質に影響を与えないFIR型フィルターによる最大4,096タップもの精密さで、極端にはスピーカー左右の特性バラツキも整えることができる。スピーカーの特性も考慮し、信号入り口から出口まで完全なデジタル処理は、ハイレゾファイルに含まれる音楽信号を忠実に再現してくれるベースになるだろう。

LAPC(Load Adaptive Phase Calibration)により、振幅と位相をともに平坦化することを可能にした

肉厚のアルミパネルを贅沢に使った品位に溢れる質感、ボリュームノブにあわせたアーチ形状が個性的な天面、そして、テクニクス往年のパワーアンプを彷彿とさせる針メーターなど、所有する悦びも満足させてくれるだろう。

独創的なデザインも本機の魅力の一つだ

質感が高い仕上げや針メーターの動きなどを確認する鴻池氏

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