[連載]高橋敦のオーディオ絶対領域

【第106回】ヘッドホン/イヤホンの「バランス駆動」徹底解説!− 基礎知識から聴き比べまで一挙レポート

高橋敦

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2014年11月21日
■ヘッドホン/イヤホン界隈の注目ワード“バランス駆動”を高橋敦が徹底解説!

いまヘッドホンの世界での注目ワードは?と問われれば「バランス駆動」と答える方も少なからずだろう。しかしこの「バランス駆動」という言葉、知ってる人にはそれで通じるが知らない人はその言葉を見聞きしてもその機能の内容を想像しにくい。その上、知ってる人の中にも「実際なんなのか詳しくは知らん!」って人もいるだろうし、「バランス駆動って名前は意味的に微妙じゃない?他の呼び方を考えるべきでは?」なんて意見もあるくらいだ。

…く…遂にこの日が来てしまったか。「バランス駆動」の基礎知識を…記事にするべきときが!

<もくじ>
■ バランス駆動とは?
■ 「シングルエンド駆動(アンバランス駆動)」と「バランス駆動」について
■ バランス駆動の利点
■ バランス駆動の実現条件
■ バランス駆動の問題点
■ <レビュー>バランス駆動の効果を体験
■ バランス駆動の傾向の推測


■バランス駆動とは?

というわけでそういう記事だが、前述のようにバランス駆動はそもそもその「バランス駆動」という名称の妥当性についても議論がある。とはいえ定まった名称がないことには記事を書きにくい。なので本記事では便宜上普通に「バランス駆動」と表記していく。…が、僕としても「バランス駆動(仮)」と呼称するのが適切くらいに思っているので、以降は心の中で(仮)を付けさせていただきたい。みなさんも各自の判断でそれぞれ脳内で(仮)を付けたりお好きな(CV: )の脳内再生で読み進めていただければと思う。

さて、ではまずバランス駆動の本当に基本的なところから確認していこう。一般的なヘッドホンアンプの回路構成はシングルエンド駆動。バランス駆動と並べる場合にはそれとの対義感の演出か、「アンバランス駆動(仮)」と呼称されることもある(同じく以降は(仮)は心の中で以下略)。とにかく、だからこそ逆に現状では「一般的ではない」バランス駆動は特別なものとして注目を集めている。

その違いを把握するためはまずは超基礎知識。音声信号を伝送、そして増幅する際には、次の3つの成分?を扱うことになる。

・音声信号
 →正相(HOT)
 →逆相(COLD)

・グラウンド(GND)

まず大きく音声信号そのものとグラウンドがある。グラウンドは音声信号ではないが、音声信号を扱う際に…というか電気回路に必須の要素だ。そして音声信号はそこからさらに正相と逆相の信号に分ける…というか本来のものである正相の信号を位相反転させることで逆相の信号を生成することができる。そしてヘッドホンのドライバーユニットには+とーの2つの入力が用意されており、ヘッドホンアンプはドライバーに、それらの成分のうち2つを入力して駆動する。その2つの組み合わせがこれから説明する2つの駆動方式の違いだ。

「シングルエンド駆動(アンバランス駆動)」と「バランス駆動」について

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