【特別企画】連載第2回:「VGP2015」総合金賞受賞モデルの実力に迫る

最上位“4Kレグザ”「Z10X」の画質を徹底チェック − 様々な映像ソースで検証

大橋伸太郎

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2014年11月17日

■色彩表現も進化 − 「驚くほどのパレットの豊かさで赤を描き分ける」

冒頭に挙げたテレビの画質の決め手の4つの要件の最後が色彩表現である。


レグザの色彩表現と広色域を支えるものが、4K広色域復元/64色軸カラーイメージコントロールで、ITU-R BT.2020にまで非線形処理で高度に対応する能力を持つ。これはZ9Xですでに搭載済みだが、今回エリア駆動の精度が向上したため、広色域の特徴がさらに研ぎ澄まされている。

名作『サイコ』の裏話を描いたアメリカ映画『ヒッチコック』は、物質的繁栄の頂点にあった時代のショービズ風俗を、当時のハリウッド映画を彷彿させる華やかな色彩で描くが、中心となる色は「赤」である。題材となったモノクロ映画が描かなかった殺人の鮮血の色だからである。

かような着想から本作は赤系が頻出するが、Z10Xの映像は赤の中のヴァリエーション、つまり、赤、紅、緋、朱からオレンジまでを驚くほどのパレットの豊かさで描き分ける。ノイズが極小で透明感があるから色のニュアンスが描き分けられる。広色域だからというだけでなく、バックライトを含むパネル自体の明るさ、ダイナミックレンジの豊かさ、ローカルディミングの動作とモノクローム階調の豊かさ、4Kマスターリファインの色超解像とノイズ抑制の掛け算で生まれたものである。

■2K放送のアップコンバートも「出画される映像の美しさに驚かされる」

最後に、テレビジョン受像機としての性能を確認しよう。日本国内向けモデルにおいて、4K放送対応チューナーを搭載した初のテレビが本機、Z10Xである。Channel 4Kのコンテンツは正直、玉石混淆という現状だが、本機の場合は4K送り出しコンテンツの原画を判定し、シーンごとにフィルターとゲインの適用の度合いを調整し超解像処理を行う。したがって、画質的に物足りないロケーション映像や夜間撮影のコンテンツも4Kの長所を引き出し快適に視聴が楽しめた。

また、Z10Xの高画質の魅力は4Kだけではない。現実にエンドユーザーが視聴する大半は地上デジタルのハイビジョンとBSデジタルのフルハイビジョン放送なのである。地デジのオンエア放送を選択すると出画される映像の美しさに驚かされる。

地味ながら東芝技術陣がこだわったのが、この、テレビ放送の画質改善だった。2Kから4Kへとアップコンバートするわけだが、超解像を中心にできる限りのことをやった結果だなという印象を受ける。

ノイズが少なくテロップ回りのモスキートノイズも見事に消えている。4K放送やBDソフトの高画質映像に目がいきがちだが、Z10Xは“4Kテレビ”を初めて世に問うたレグザのフラグシップにして、「日常」というテレビの本分を忘れていないのだ。

4Kチューナー搭載というトピックを引っ提げ脚光を浴びて登場したレグザZ10X。しかしテレビの画質を構成する要素の全てに渡り水面下で躍進を遂げた、映像の完成度で現在最有力の4Kテレビであった。

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