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新機能の「USB-DAC直接接続」も試す

QNAPのNAS「HS-210」× 最新プレーヤー6機種マッチング検証 − マランツ「NA8005」との相性は?

公開日 2014/07/24 11:38 山之内 正
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<組み合わせ5>
PIONEER「VSA-1124」

PIONEER「VSA-1124」

■音質にこだわったDSDネットワーク再生対応AVアンプ

パイオニアの「VSA-1124」はこのクラスとしては珍しくESS社製DACを積むなど、音質に強いこだわりを示した製品だ。2.8MHzまでのDSD音源対応や最大96kHz/24bitのマルチチャンネル音源の再生など、ネットワークオーディオ機能の充実ぶりでも他機をリードする。着実な進化を続ける操作アプリは「iControlAV5」に進化し、上級機に匹敵する豊富な機能を身に付けた。HS-210からのデータ配信は安定度が高く、アプリからの操作のレスポンスも良好。

再生音は粒立ち感とディテール描写が明らかに向上し、ハイレゾ音源の情報量の余裕をはっきりと実感できる。それはDSD音源についても同様で、ショスタコーヴィチの交響曲で細部を精密に解像する能力は1クラス上のアンプに匹敵する。『KIN』のパーカッションの鮮鋭な輪郭とスピード感など、特にリズム楽器のクオリティの高さに注目したい。

<組み合わせ6>
PANASONIC「DMR-BZT9600」

PANASONIC「DMR-BZT9600」

■192kHz/24bitネットワーク再生が可能な旗艦BDレコーダー

最後にPANASONICの旗艦BDレコーダー「DMR-BZT9600」でFLAC音源を試聴した。ファイル形式や操作方法はある程度限定されるが、BDレコーダーでハイレゾ音源の再生に対応した機種は他に見当たらず、フラグシップ機だけに音質にも期待が募る。

選曲は汎用の操作アプリでもスムーズに動かないため、本体のメニューから「お部屋ジャンプリンク」を経てHS-210を選ぶスタイルになる。アルバムによっては曲順がアルファベット順に並んだり、ジャケット画像が横長に変形してしまうなど、改善して欲しい点はいくつかあるが、操作の待ち時間はそれほど気にならなかった。

再生音は解像感と鮮度の高さが聴きどころだ。アキュフェーズのE-600とバランス接続で組み合わせたこともあり、BDレコーダーとは思えないクオリティ感を味わうことができた。

■HS-210はどのモデルとの組み合わせでも安定して動作した

今回はネットワークプレーヤー以外にAVアンプやBDレコーダーなど様々な製品を組み合わせ、音質と使い勝手を確認した。6機種いずれもHS-210からのデータ配信に不安な要素はなく、再生音のクオリティも期待を上回る高水準で、ネットワーク再生が性能面でも着実な進化を遂げているという印象を受けた。また、これはHS-210ではなくネットワークプレーヤー側の問題なのだが、一部の機種で気になった使い勝手と操作上の課題については、ファームウェアの更新などによる改善を各メーカーに期待したい。

今回の検証ではHS-210の音質と共に、各モデルでの安定した動作も確認できた

次のページでは、ファイル・ウェブ編集部が、ファームウェアアップデートでHS-210が新たに対応したUSB-DAC直接接続機能について検証する。

次ページHS-210のUSB-DAC直接接続機能を検証

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