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【特別企画】ネットワークオーディオに最適なNASを検証

QNAPのNAS「HS-210」レビュー − DSDにも対応、ネットオーディオ定番ブランド最新モデル

2014/03/25 山之内 正
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QNAPのNASは、その性能の高さと音の良さがネットワークオーディオ・ユーザーの間で認知され、長きにわたって定番モデルとして使われてきた。同社のファンレスタイプNASの最新モデル「HS-210」を山之内正がレポート。一見難しいと思われがちなセットアップ方法を解説しつつ、その音質まで確認していった。

QNAP「HS-210」 ¥OPEN(予想実売価格39,800円前後)

■ネットワーク再生で定評あるQNAPから新ファンレスNAS「HS-210」が登場

NASはネットオーディオの音質と使い勝手を左右する重要なアイテムの一つだ。データを正確に読み取って忠実に送り出すという役割は、ディスク再生ではトランスポートに相当するものだし、サーバーソフトの振る舞いが選曲や再生時のレスポンスを大きく左右することも知られている。ネットワークプレーヤーとの相性を検討することも含め、NASは慎重に選ぶべきなのだ。

早い時期からネットワークプレーヤーを使いこなしてきたリスナーは、特にNASの選択にこだわる人が多い。安定性やデータベースの信頼性など、NASやサーバーソフトの完成度が音質と使い勝手に直結するからだ。

そんなこだわりのある音楽ファンが積極的に選ぶブランドの筆頭がQNAPで、なかでもファンレス構造の同社「TS-119」は音の良さと静音性が評価され、絶大な支持を集めてきた。メーカーは特に音楽用NASとして設計したわけではないと思うが、基本性能と使い勝手の良さが口コミで浸透していったのだ。

ネットワークオーディオにおけるNASの定番ブランドのひとつであるQNAPから、昨年末に登場した新ファンレスNAS「HS-210」。アップデートによりDSDへの対応も実現したことで、改めて注目が集まる

そのQNAPから登場した「HS-210」は、音楽サーバーを含むホーム用途を最初から想定した新シリーズのNASである。フラットでスリムなデザインは明らかにオーディオ製品やAV機器との組み合わせを視野に入れたもので、アルミ材を投入した筐体の質感の高さは一般的なNASとは一線を画している。これならネットワークプレーヤーの隣りに並べても違和感を感じることはないだろう。もちろん本機もTS-119と同様に放熱ファンはなく、動作音は最小限にとどまる。後で詳しく紹介するDSD配信へのアップデート対応(関連アップデート方法とDSD音源の試聴レポートはこちら)も、オーディオファンには朗報にちがいない。

LANポート、USB端子、SDカードスロットなどのインターフェースは背面に整然と配置され、フロント側には2つのベイに3.5インチまたは2.5インチのドライブを装着することができる。CPUはMarvellの1.6GHz、バッファメモリは512MBと、基本スペックには十分な余裕があるし、ファンレスかつ2ベイ仕様の製品はホーム用途としては貴重な存在だ。また、RAID 1に対応しているため、データの安全性という面からも安心して使うことができる。

前面パネルを外したところ。2ベイ構成で、3.5インチ、2.5インチのHDDに対応

HS-210の背面端子部

QNAPはHS-210に組み合わせるHDDとしてWestern DigitalのWD Redシリーズを推奨している。サーバー用途を想定して設計されているため、常時運転でも安定した性能を発揮し、耐久性の点でも優位なのだという。

次ページ音がでるまでのセットアップ手順を紹介

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