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【特別企画】鴻池賢三がテスト

4K AQUOS「UD20ライン」実力検証 − 4K放送もVODも見られる“4Kフル対応”機

2014/06/18 鴻池賢三
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UD20ラインの画質・音質をチェックする

まずは、最も身近で現実的な高画質ソースであるBDの画質を確認すべく、映画作品「オブリビオン」を映画モードで視聴した。同タイトルは、4Kデジタル撮影による高画質映像で定評があり、アップコンバートの能力を試すには好適だ。

チャプター14の、豊かな緑に囲まれた湖畔に佇むシーンでは、背景のボケ味を残しつつ、ピントの置かれた被写体を尖鋭に描き出し、浮き上がるような立体感にハッとさせられる場面が何度もあった。表情など細部に注視すると、髪や肌といったテクスチャーを豊かに引き出しつつ、それが固さを感じさせず、表情の有機的な柔らかさを表現できているのも好感が持てる。


視聴を行う鴻池氏。アップコンバートした映像や4Kネイティブ映像など、様々なソースを使ってその実力をチェックした

取材に対応いただいたシャープ(株)デジタル情報家電事業本部 AVシステム開発センター 第四開発部 画質開発グループ チーフの小池晃氏
色表現の点では、映画モードはDCIに近い色域拡張を行うが、BT.709ベースで制作されたBD映画作品を過度に演出することなく、広色域化で得たピュアな色再現能力により、木々の緑、空の青、肌色が透明感を湛えて心地良く映る。ほかにSD画質で制作されたドラマの放送映像なども確認したが、瞳の輝きなど、要所要所にアップコンバートの巧みさが見て取れ、日常のテレビ放送にも適した4Kテレビと言えそうだ。

4K/60pで収録されたデモ映像も見たが、さすがに緻密さも滑らかさも、現行のデジタル放送やBD映像を圧倒する高画質。店頭デモも行われるとの事なので、ぜひチェックして欲しい。

音質面での進化も特筆に値する。サウンドバータイプのスピーカーボックスから飛び出した丸型ミッドレンジスピーカーがデザイン面でのアクセントになっているほか、丸型のドライバーは一般的な薄型テレビで使用される楕円タイプに比べると、コーンの歪みが少なく音質面でも有利。映画視聴では、「DuoBass」による映画らしい重低音で音場を広げつつ、セリフには厚みが伴って明瞭度も申し分ない。長時間の映画やテレビ視聴でも、疲れにくく快適に楽しめそうだ。



放送と共に進化を遂げてきたAQUOS。「UD20」シリーズは、4K放送時代を見据えたインターフェイス機能の充実度で最先端を走り、また、4K時代にふさわしい画質と音質が与えられている。ユニークで多彩なネット機能など、スマートテレビとしての実力も高く、今、最も注目すべき4Kテレビの一つと言える。

(鴻池賢三)

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