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【特別企画】鴻池賢三がテスト

4K AQUOS「UD20ライン」実力検証 − 4K放送もVODも見られる“4Kフル対応”機

公開日 2014/06/18 11:20 鴻池賢三
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まず、高画質化時代に備えた基礎体力として、外光や照明の映り込みを抑えて深い黒を再現できる「4Kモスアイパネル」を搭載した。高精細な4Kテレビは画面サイズが大きくなり、視聴距離も短くなる傾向にある。この場合、鏡を近くで見るのと同じように、映り込む背景も広がり、外光や照明が入り込むことも多くなる。シャープ独自の低反射技術「モスアイパネル」は、こうした大画面時代の課題を見越して開発されたものだ。

外光や照明の映り込みを抑えて深い黒を再現できる「4Kモスアイパネル」を搭載

また高品位なディスプレイの証として知られる「THX 4Kディスプレイ規格」認証も取得しており、画質の基本とも言える「ユニフォーミティー」(画面の輝度均一性)の高さも特筆に値する。

昨年モデルの「UD1」ラインと比べたときの進化点としてまず紹介したいのは、「リッチカラーテクノロジー」による色再現能力の向上だ。バックライトに使用するLEDの蛍光体改善に加え、液晶パネルのカラーフィルターの特性を最適化するなど、液晶パネルから開発するシャープならではの取り組みで、現在のフルHDコンテンツで基準となっているBT.709を大きく上回り、デジタルシネマ基準の「DCI」色域に迫る深い色再現能力を獲得した。色の鮮やかさでも進化を遂げる4K放送時代にもふさわしく、また、現在のデジタル放送やBDコンテンツの広色域化とも親和性が高い。

左がこれまでのUD1ライン、右がUD20ラインの映像。黄色と赤の表現能力を見ると、その進化は歴然としている

それだけではない。「リッチカラーテクノロジー」のキモは、単なるパネルの広色域化にとどまらず、ナチュラルな色表現の拡張にある。一般に広色域化を行うと、色の表現力が大幅に高まるぶん、誤差も増幅されて違和感となりやすいが、「リッチカラーテクノロジー」はシャープの長年の知見を活かした高度なアルゴリズムと演算により、きめ細やかさと的確な補正を両立している。

4Kテレビで注目すべき精細度の点でも進化した。「AQUOS 4K-Master Engine PRO」は、新たに「アダプティブアップコンバート」機能を搭載。地上デジタル放送や高品位なBD映画コンテンツなど、映像素材の特性を周波数分析で見極め、それぞれを適切な4K映像へとアップコンバートする。「ピクセルディミング」機能も大きなトピックで、映像信号をピクセル単位で解析し、明るさ情報を再配置することで、コントラスト感を向上する新技術だ。ピクセル単位のコントラスト向上は、映像全体の精細感向上にも寄与する。

「AQUOS 4K-Master Engine PRO」により、HD映像も高精細な4K映像へ生成する

「ピクセルディミング」機能は「強/中/弱/しない」から選択できる

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