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サインペンが使えるタッチパネルなども

「ファインテック」開幕 − 東芝が4K液晶搭載ノートPCやZ9X展示/シャープは液晶の広視野角化技術

公開日 2014/04/16 16:39 ファイル・ウェブ編集部
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フラットパネルディスプレイに関する総合展示会「ファインテック ジャパン」が本日より東京ビッグサイトで開幕した。会期は12日まで。4K REGZA「Z9X」や4K対応IGZO液晶搭載ノートPC「T954」をさっそく展示していた東芝や、液晶パネルを広視野角化させるフィルムを展示していたシャープなどのブースを中心にレポートする。

■東芝が「Z9X」など4K対応機器を披露/キヤノンも4K対応業務用モニター展示

4K関連では、東芝が発表したばかりの液晶テレビ“REGZA”「Z9X」や、世界初の4K IGZOディスプレイ搭載ノートPC“Dynabook”「T954」(関連ニュース)などの4K対応製品を展示。発売前に「Z9X」をさっそく体験できるようになっている。

REGZA Z9X

「T954」は、解像度3,840×2,160/282dpiという4K対応ディスプレイを搭載。液晶パネルにはIGZOを採用している。4K REGZAでの「レグザエンジン CEVO 4K」をベースに、ノートPC向けに改良した高画質化技術を投入し、例えば動画コンテンツでは、空の青、芝の緑、肌の色などを記憶色に近い色調で再現する技術や、明るい部分と暗い部分のコントラストを補正する技術を適用し、より鮮明でメリハリのある映像を表示するとしている。

T954

4K動画や写真編集用に、CyberLink MediaShowやCorel VideoStudio X6 VEなどの各種ソフトを同梱。本機で編集した4KコンテンツをHDMI接続で4K対応テレビに出力することもできる。

OSにはWindows 8.1、CPUはCore i7 4700HQ(2.40GHz)、グラフィックチップにはAMD Radeon R9 M265Xを搭載。メモリは8GBで、ストレージはNAND型フラッシュメモリを組み合わせた容量1TBのハイブリッド型HDDを採用している。

そのほか、業務用の4K対応モニター「TUM-32PRO1」も展示。Adobe RGBを99%カバーしていること、広視野角4Kパネルを採用していることなどを紹介し、業務用機器でもコンシューマ機でも4K対応製品を揃えていることをアピールしている。

TUM-32PRO1

フルHDのディスプレイ「TD-X551」は狭ベゼルによって複数を組み合わせての大画面表示を効果的に行えることをアピール

4Kについては、キヤノンも4K対応業務用モニター「DP-V3010」を展示。そのほか、アストロデザインが8K信号にも対応するデジタルビデオ信号発振器「VG-876」と、4K対応のHDMIプロトコルアナライザー「VA-1838」を展示するなどもしていた。

DP-V3010

アストロデザインは4K対応業務機器を展示

■液晶パネルを広視野角化するシャープの光学フィルム

シャープでは、TN式の液晶パネルに貼り付けることで、下方向からの視野角を大きく広げる光学フィルム技術をデモ。

同技術は、透明樹脂と空気の全反射によって階調反転を抑制するというもので、これによって、下方向からディスプレイを見た際の色変化を大幅に低減させる。「寝転んだ姿勢で画面を見るようなケースも増えているため、そうした場合に対応できる」(説明員)などのメリットがある。

フィルムを使用していない状態(左)との比較デモ

また、正面視した際に文字などのボヤケが少ない点も特徴。そのほか、明環境下でもコントラストが低下しないという特性も実現しているという。

技術解説

正面から見た際の文字などのボヤケが少ないのも特徴

■サインペンを使えるタッチパネル/振動検知式のタッチシステム

少し変わったところでは、ぺんてるが、サインペンを使える32型タッチ液晶ディスプレイを参考展示。

サインペンを使えるタッチパネル

一般的なスタイラスペンだけでなく、ペン先がフェルトでも反応するという点が大きな特徴で、インクが出ない状態のサインペンで文字などを書き込むことが可能。ペンは導電率を通常よりも少し上げる工夫をしているものの、この点とインクが入っていないこと以外は普通のサインペンと同じ仕様。静電容量式のディスプレイ側をフェルトでのタッチ操作に対応させ、ペン入力の使い勝手を高めた。

インクが出ないこと、導電率を上げていること以外は通常のサインペンと同じ

最大10点までのマルチタッチに対応し、最小でペン先2mm径の検知が可能。「AGハードコート」によって反射を最適に処理することで外光の写り込みも低減させている。また、厚さ3.8mmのガラスを採用することで割れにくくしている。

また、タッチ操作関係では、住友3Mが同社独自の振動検知方式による「3M マイクロタッチシステム」をデモ。赤外線を用いる一般的な方式の場合、西日など設置場所の環境によってはタッチへの反応が鈍くなってしまう可能性もあるが、ディスプレイに触れた際の振動を検知する同方式であればそうした問題が起こらないなどのメリットがあるという。

住友3Mは独自の振動検知式タッチシステムなどをデモ

■生卵が割れない衝撃吸収材を応用して高画質化

タイカでは、ビルの6階相当の高さから生卵を落下させても割れないという衝撃吸収性をもつゲル状素材「αGEL」を、ディスプレイ用に応用した「OPTαGEL」を展示。

実際に生卵を落とす「OPTαGEL」のデモも展開

高い光透過性と耐久性、衝撃吸収性を持つシリコーン系の粘着素材である「OPTαGEL」を、カバーガラスやタッチパネルとLCDなどの層間に使用して空気層を埋めることで、画質も向上させられることなどを紹介している。

空気層を埋めることで映像が引き締まる

シリコンサインジャパンでは、1,920×2,160解像度で1.5mmピッチの「SiMagnolia」などを展示。「世界最高レベルの高精細LEDパネル」だとアピールするなどしている。

「SiMagnolia」などをアピール

リーダーメディアテクノは、アクリルパネルに直接センサーを生成する技術によって「割れないタッチパネル」を作成しようとチャレンジしていることや、PET素材の採用によって曲げなどにもフレキシブルに対応できるようにする技術などを紹介。合わせて、ベゼル部にもシルク印刷することによって、スマートフォンやタブレットの本体色とディスプレイ部周辺とのカラーリングを同一にできるなどといった技術を披露している。

ベゼル部にもカラーを入れられる技術を紹介

「割れないタッチパネル」に挑戦していることなどをアピール

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