60V型以上で展開予定

<IFA>シャープ、“4K AQUOS”の開発に着手 - アイキューブド研究所開発の「ICC」チップを搭載

ファイル・ウェブ編集部:小野佳希
2011年09月06日
シャープは、液晶テレビ“AQUOS”において、I3(アイキューブド)研究所(株)と協力し4K2K対応モデルの開発に着手していることをIFA2011で明らかにした。

I3研究所が開発した、フルHD映像信号から4K映像(3,840×2,160画素)を生成する新たな映像クリエーション技術「ICC(Integrated Cognitive Creation : 統合脳内クリエーション)」を搭載したチップと、シャープが持つ4K液晶パネル技術を組み合わせた液晶テレビの実用化を目指す。

「ICC」は、人間が現実の風景や被写体を直接見た時に発生する「認知」の働きと同等の体験を映像視聴時に得ることをコンセプトとした映像処理技術。映像の高解像度化やノイズ低減などだけでなく、遠近感や立体感、質感などを、自然界により近い形で認知させることを目標としている。

ふだん人間は、自然の景色や被写体を光の刺激として視覚を通して脳で認知し、自らの行動に利用したり、記憶に残したりしている。ICCは、この認知過程を映像視聴時に再現するため、実際の情景を見る場合と同様の光刺激が得られるように4K ICC画像の生成を行う。これにより映像視聴時に脳の負荷が低減され、過去の記憶から実際の情景を想起させることなどを容易にし、豊かな映像体験を実現するとしている。

I3研究所の近藤哲二郎氏は「これまでのテレビでは画面サイズがそれほど大きくなく、画面内で視線を移すときでも全体の情報が一目で入ってきていたので、眼球の動きがそれほど必要なかった。しかし、画面が大型化してきたことにより、例えば画面の中央から画面の端に視線を移そうとすると眼球が動く。これにより“認知”という行動がテレビでも活用できるようになった」と説明。こうしたことを背景に、シャープ側も「60V型以上での実用化を考えている」とした。

本技術は、IFAブース内の一般スペースでは展示されず、商談スペースに一部メディアなどを招いて試作機を披露。通常のフルHD映像と、フルHDを業務用アップコンバーターで4Kにした映像との比較視聴を行った。

実際に記者も4K映像を体験したが、大きな画質向上が実感できた。フルHDで失われてしまっていた細部の情報がしっかり確認できるようになり、画面の奥行き感が大幅に向上する。今回の映像と通常のフルHD映像とを見比べていると、少し大げさな言い方かもしれないが、フルHDがまるでSD画質になったかのような錯覚を覚えるほどだった。

近藤氏は「白黒からカラーになったことがテレビの第一の大変革だとすれば、フルHDから4Kへの進化は第二の大変革。今回はその一歩を踏み出せたと思っている」と大きな自信を見せた。なお、本件の詳細については「近いうちに改めて発表する予定」(シャープ担当者)という。

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