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[連載]高橋敦のオーディオ絶対領域

【第82回】総額70万円!超ハイエンドなポータブルオーディオシステムを組んで聴いてみた

2014/04/11 高橋敦
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■Astell&Kern「AK240」¥271,429(税抜)

いよいよ税込29万円超えのAK240だ。シリーズ第一弾の「AK100」は、当時のハイレゾポータブルとしては比較的お手頃な価格でサイズもコンパクト、しかし十分なクオリティというバランスの良さで人気を博した。しかしその後シリーズには上位機が続々と追加され、遂にここに至った。

まず全体を見ての実物の印象だが、何はともあれその造形だ。発表時の写真と説明を見てもなんかもうトリックアートみたいで把握できなかったのだが、実物を見ると…かっこいい!懸念していた大きさも、AK従来機よりは大きいが、僕の手(たぶん男子として普通程度だと思う)には無理なく収まる。

手にしてみるとこんなサイズ感。ジュラルミン削り出し筐体の重さも心地よい。

裏面はカーボンファイバーのプレート

操作性の面でシリーズの大きな特長であるダイヤル式ボリュームももちろん継承。AKシリーズのダイヤルの感触はモデルごとや製造時期ごとで少しずつ異なるようだが、今回お借りしたAK240は心地よい軽さとクリック感で実によい具合だ。あと実は正直、AK120のボリュームガードはデザイン的に後付け感があって僕にはしっくり来なかったのだが、本機はその部分の処理もしっくり来る。

ボリュームガード周りはカトキハジメ氏と士郎正宗氏がデザインしたマウスを思い起こさせる趣き

さてこのモデルの特徴的な部分で、そして今後同社の下の価格帯への波及も期待できそうな部分を見ていこう。

まずこれが大本命なのだが、システム〜インターフェースが刷新されている。従来はLinuxベースの独自システムだが本機はAndroidベース。いやまあAndroidもLinuxカーネルなのだがそこらへんを厳密にしていくと話がややこしくなる。Androidといっても、おなじみのAndroidスマートフォン的なインターフェースになってはいない。シリーズとの一貫性を保ちつつリファインしたといった様子の、AK240独自のインターフェースが搭載されている。

最近のAndroidは電源+音量下げるボタンでスクリーンショットが取れる!はずなのだが、本機には音量ボタンがないのでこんな写真しか…

改良点としては例えば特にプレイリスト作成機能。従来機では正直貧弱だった部分だが、本機では表示中の曲をドラッグ&ドロップで登録でき、リスト内での並び替えも同じくドラッグ&ドロップと、一般的なスマートフォンと同等以上のレベルに使いやすくなった。

この点に代表されるようにインターフェース、操作性は各所がブラッシュアップされている。ある程度はCPUパワー等も必要なのかと思うが、インターフェース設計自体は下の価格帯への導入に無理はないものと思う。これはぜひ期待したい。

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