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「最高画質」をめざしたHX900の実力とは

3Dだけでなく2D画質の進化にも注目! 折原一也の新“BRAVIA”ファーストインプレッション

公開日 2010/03/09 17:24 折原一也
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■気になる3D表示のクオリティは?

今回紹介した“BRAVIA”HX900/HX800/LX900シリーズは、3ラインとも3D対応を謳っている。LX900シリーズは標準で3Dシンクロトランスミッターを内蔵、3Dメガネも2つ付属している。HX900/HX800シリーズはオプションで購入する形となる。

3Dシンクロトランスミッター

3Dメガネ(スタンダードタイプ)

ソニーでは240Hz駆動の液晶の特性を活かして3Dの高画質化に取り組んでいる。液晶では、その表示特性上、前後のコマの映像が一つのコマに混在してしまうが、同じ映像を上書きするように2度書き込めば、混在しない一枚の映像を作り出せる。そして、左右のコマの混在している瞬間はLEDバックライトを消すことでクロストークを軽減させ、同時に混在していないコマの瞬間はバックライトを強めて表示することで輝度を維持する。もちろん、3Dメガネアクティブシャッターの動作も、これに同期させるという仕組みだ。

新BRAVIAの3D表示の仕組み

実際の3D映像を視聴してみると、今年1月の2010 International CES会場で見た際とは、大きく印象が異なる。CES会場の3Dデモで気になっていた、全体的な映像のチラつきは解消しており、自然で明るい3D映像を視聴できるようになっていた。銀座ソニービルでもデモが行われていた『旭山動物園』『美ら海』といった定番の3Dソースを見ても、クロストークによる二重像もほとんど気にならず、引き締まった画質で視聴することができた。他にもPS3ゲームの『モーターストーム』、PS3の3Dを使ったシューティングミニゲームと、どのソースも明るく鮮明だ。これらの視聴はすべて明るい照明下で行ったもので、リビングでの画質は期待しても良い。

HX900/HX800/LX900シリーズでは、リモコンのボタン一つで2D→3D変換を行える機能も搭載している。通常の2Dで収録されたBD映像を使ってその効果を試してみたところ、3Dらしい飛び出し感こそないものの、確かに通常の2D映像と比較し、映像に自然な立体感が出て奥行きの広がり感は出せている。効果は若干控えめではあるものの、用途によっては便利に使えそうだ。

リモコン上部の「3D」ボタンを押すと2D→3D変換が行える

最後に、今回の3D対応BRAVIAのラインナップ構成にも感心した。2D映像が最高画質であるHX900シリーズ、クオリティ重視の選択肢であるHX800シリーズはオプションで3Dに対応したことで、将来的に3Dコンテンツが揃ってから3D対応にアップグレードできるのは嬉しい。また、3Dメガネが12,000円、トランスミッターが5,000円という予想実売価格も手頃だ。3Dに対応したHX800シリーズの40V型モデルであれば店頭価格が20万円を下回るのは確実で、これが家庭での3Dを牽引するモデルとなる可能性もあると考えている。

(折原一也)

執筆者プロフィール
埼玉県出身。コンピューター系出版社編集職を経た後、フリーライターとして雑誌・ムック等に寄稿し、現在はデジタル家電をはじめとするAVに活動フィールドを移す。PCテクノロジーをベースとしたデジタル機器に精通し、AV/PCを問わず実用性を追求しながら両者を使い分ける実践派。

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