「テレビコンテンツをネットで見る」層が大幅増。A-PABがテレビ視聴動向を調査
一般社団法人 放送サービス高度化推進協会(A-PAB)は、「テレビ視聴動向リサーチ」の調査結果を発表した。
本件は、テレビ放送を取り巻く視聴環境と利用実態の変化について取りまとめたもの。全国5,000人規模の調査をもとに整理した。
A-PABが「今回の調査結果の中でも特に特徴的な動向」だとするのが、動画サービスやSNSにおけるテレビコンテンツ視聴の伸び。各動画サービスでの見逃し配信などといった形でテレビコンテンツを視聴しているという回答が約6割に達し、前年から大幅に増加した。
その背景についてA-PABは、いわゆる見逃し配信サービスが拡大していることに加え、公式チャンネルの展開や短尺動画コンテンツを活用したプロモーションなど、テレビ局による多様な情報発信の取り組みがあるものと考えられると説明。
一方で、違法アップロードによるテレビコンテンツの流通が依然として存在している点が、テレビ局にとって課題となっているとも指摘し、「これらの状況から、コンテンツ視聴の場が複雑化・多様化している実態がうかがえる」と説明している。
そのほか、「テレビ放送」を「なくてはならない」ものだとする回答は、他媒体を約1割上回り最も高い結果に。テレビ放送は引き続き社会における基盤メディアとしての評価を維持していることが確認されたという。
その一方で、「動画共有サービス」を「なくてはならない」「あった方がよい」と思っているポジティブな評価が7割に達し、「テレビ放送」と並ぶ水準となった。
これらの結果から、情報取得や娯楽の手段として、テレビと動画配信サービスが共存する視聴環境が形成されつつあることがうかがえると説明している。
なおメディアの平均視聴時間については、「テレビ番組をリアルタイムで視聴」が平均80分で最も長く、次いで動画共有サービスが58分と続いた。
一方で15分未満の短時間視聴はすべてのサービスで2割前後を占めており、長時間のテレビ視聴と短時間の動画利用という使い分けが確認されたという。
4K・8K衛星放送に関しては、4K放送が見られるということに対する認知が44.0%、8K放送については28.9%にとどまったとのこと。
ただ、一方で、4K・8Kチューナー内蔵テレビを所有する層では理解が大きく進んでおり、機器保有の進展が認知向上に寄与していると考えられるという。
また、4K放送については、視聴経験が14.0%、 視聴機器の所有が26.8%となり、認知・視聴経験・視聴機器の所有は、いずれも年々に増加。一方で、普及は依然として途上にあり、成熟期には至っていないともA-PABでは説明している。
ただしそのような状況においても、「画質・臨場感」に対する満足度は82.1%と高い。今後は視聴機器の普及に加え、視聴体験機会の拡充を通じて、4K・8K放送のさらなる普及が期待されるとしている。
また、2月に開催されたミラノ・コルティナオリンピックについて、4K放送視聴者の満足度が93.9%に達した。これを受けてA-PABでは、スポーツ中継に対する根強い需要が確認されたと説明。画質のきれいさや臨場感、迫力など満足度の高さにつながったとしている。
4Kコンテンツの利用状況については全体の21.4%が視聴しており、とくに若年層ほど利用傾向が高いという。視聴経路としては動画配信サービスや動画共有サービスの4Kコンテンツが上位を占め、放送系よりも配信系サービスがやや先行している傾向にある。
そのほか、国際情勢や選挙、災害といった重要性の高い情報分野においては、テレビ放送が「日常的に利用するメディア」で約6割の支持を集めた。
「情報内容が異なる場合に信頼されるメディア」でも過半数を超えており、テレビ放送が基盤的な情報インフラとして重要な役割を担っていることがうかがえると説明している。
