欧米で導入の番組検索技術も公開

4Kや音声入力にも対応。「G-GUIDE」のTiVoが開発する次世代EPG

編集部:成藤正宣
2017年10月10日
テレビ放送のEPG(電子番組表)「G-Guide」を手掛けるTiVoは、Ceatec2017に合わせてプライベート展示会を開催。G-Guideの次世代バージョン「G-Guide HTML」や、欧米で提供しているコンテンツプラットフォームについて、同社代表取締役の西村明高氏自らが解説した。

■4K解像度、音声入力など次世代技術に対応した「G-Guide HTML」

TiVoはもともと米国ビデオレコーダーやセットトップボックスを製造し、使いやすさが評価されていた会社だが、2016年にRovi社により買収された。しかしRoviは、TiVoが持っていた強いブランド力を生かすべく、自ら社名を買収先のTiVoに統一した、という経緯を持つ。

国内各メーカーに採用されるG-Guide

現時点で最も広く利用されているG-Guideは「G-Guide Embedded」と呼ばれる組み込み型のもの。フナイやシャープ、パナソニックやマクセルといったメーカーがG-Guideを採用、あるいはG-GuideをベースにしてEPGを開発している。

最新バージョンとなるのが「G-Guide HTML」だ。ウェブ制作で主流になりつつあるHTML5によって制作されており、カスタマイズ性が大幅に向上。「G-Guide HTML」をベースにした、メーカーによるオリジナルEPGの開発もより簡単に行えるようになっている。また、インターネットに接続していれば、従来より詳しい番組情報が閲覧できることも特徴で、出演者が出ている他の番組など、関連番組の検索機能も強化されている。西村氏いわく、これらはTiVoやその関連会社が「番組や出演者のデータにひとつひとつタグ付けを行い、検索時にそのタグを辿ることで実現している」ということだ。

表示できる情報量が飛躍的に増えた

おすすめ番組の表示なども可能に

「G-Guide HTML」はKDDIやJ:comのセットトップボックス(以下、STB)に搭載。また最近では、シャープの4K UHD対応BDレコーダー「BD-UTシリーズ」にも採用。各メーカーに応じたカスタマイズが施されている。

G-Guide HTMLを搭載する代表的なモデル3種

KDDIのSTBはAndroid OSで動作しており、そこに搭載されたG-Guide HTMLは音声認識に対応。マイクに出演者、番組名などを話しかけるだけで番組を検索できる「G-Guide Voice」仕様となっている。

音声検索の精度も良い。写真は「NHK」で検索したところ

またJ:comのSTBに搭載されたG-Guide HTMLは、番組紹介の関連情報欄にJcomが提供するVODサービスが表示される「G-Guide VOD Link」に対応。リアルタイム放送と見逃し配信などのVODコンテンツの垣根を取り払い、視聴者の興味に沿うような幅広いおすすめ番組を提示するとしている。

番組表にVODの見逃し配信項目が表示され、シームレスな検索が可能

シャープ「BD-UTシリーズ」に搭載されたG-Guideは4K解像度表示に対応した。4K対応したG-Guideは従来より表示範囲が広いうえ、高解像度によって文字がくっきりと見やすく、情報量が大幅に増加している。表示速度もハードウェアの強化によって素早いレスポンスを維持しており、操作性が犠牲になることはない。

4K UHD対応レコーダーに採用された4K解像度のG-Guide

今後のアップデート予定について西村氏は「番組表示の際に4K/2Kコンテンツを分けたり、4K・8K放送で使用される左旋円偏波のみ分けて表示する検索など、4Kならではの要素を盛り込みつつ、利便性がますます高まるよう改良を加えていく予定」と語った。

4K放送に向けた改良を予定する

■非常な細かな要望までフォローする「パーソナライズドコンテンツディスカバリー」

TiVoが欧米向けに提供する番組検索プラットフォームとして参考展示されたのが「パーソナライズドコンテンツディスカバリー」だ。Linuxを搭載したSTBややAndroid TV、スマホやタブレットなど様々な機器で動作する。視聴者が新しいコンテンツを発見する体験を、これまで以上に手軽で快適にするシステムとなっている。

国外で流通する放送機器。LinuxやAndroid OSで動作している

基本的には視聴者がどの時間帯にどんなジャンルの番組を見ているか、といった様々な情報を蓄積した予測データベースと連動し、録画/ストリーミング動画の垣根なく横断し、おすすめ動画を表示するシステムだが、非常に緻密な条件設定ができるのが特徴だ。

例えばジャンル、時間帯、シーズン方式のドラマであればどのシーズンを含めるか、有料ストリーミングのコンテンツを含めるかなど、非常に緻密な条件指定をしてコンテンツを検索できる。データベースに連動した検索予測機能も優秀で、西村氏によれば「検索窓にアルファベットの一文字入力しただけで、その人が見たい番組がヒットする確率は55%に達する」のだという。

検索条件の設定は非常に細かく可能。家族個々にプロファイルを保存する機能も

音声による検索にも対応しており、例えば「今夜のSF映画が見たい」と喋った後に「明日は?」と続けて入力すると、システムがひと続きの質問と判断し、ジャンルをSFに絞って翌日放送の番組を検索してくれる。

音声を構文として認識してくれている

放送環境の違いなどから、日本にそのまま導入することは難しいとのことだが、次世代のテレビ視聴のあり方を垣間見せてくれる、魅力的なプラットフォームであることは間違いない。

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