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ブースではHDR対応次世代高輝度テレビ出展

<CEATEC>パナソニック、4K&ハイレゾで“ものづくりから憧れづくり”へ。「Aspire to more」をアピール

2015/10/06 編集部:杉浦 みな子
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パナソニック(株)は、10月7日〜10日に幕張メッセで開催されるIT・エレクトロニクス総合展「CEATEC JAPAN 2015」に出展する。ブースでは、現在開発中という「HDR対応高輝度次世代4K液晶テレビ」を参考展示するほか、昨日発表された世界初のUltra HD Blu-ray対応レコーダー「DMR-UBZ1(関連ニュース)」なども公開する。ブースの展示情報は別項でお伝えする。

参考出展中のHDR対応高輝度次世代テレビ

昨日発表された世界初のUltra HD Blu-ray対応レコーダーも

イベント開催前日となる6日、同社はプレス向けのカンファレンスを実施して最新の家電事業戦略について発表を行い、「Aspire to more」を新しいコンセプトに掲げ、暮らしを豊かにするこれからの製品づくりと新たな価値創造について説明した。

まず登場したパナソニック 常務取締役 アプライアンス社 社長 本間哲朗氏は、2018年に同社が創業100周年を迎えることに触れ、「この100年の間に世相も変化したが、人々の暮らしに寄り添い、より良い社会を作っていくというパナソニックの経営理念は昔も今も変わらない」とし、「現在、アプライアンス社はグローバルで74拠点を展開している。2014年には、国内の家電市場の売上は2兆円規模になり、家電占有率は過去最高になった。創業100周年となる2018年には全社売上10兆円を目標としているが、そのうち、家電事業で2兆3億円を占める構想をしている。家電は伸びない事業ではなく、グローバルに伸びていく事業であることを皆さんと共有したい」と語った。

本間哲朗氏


日本市場におけるパナソニックの家電占有率は2014年で過去最高に

2018年には全社売上10兆円を目標とし、そのうち家電事業で2兆3億円を占める構想
本間氏は「パナソニックの家電事業には、100年にわたって人々の暮らしに寄り添ってきたという強みがある」と、現在では単純に家電だけではなく、太陽光システムなども含めた幅広い事業で人々の暮らしをサポートしていることをアピール。続いて、新コンセプト「Aspire to more」について発表した。

幅広い事業で人々の暮らしをサポート

新コンセプト「Aspire to more」

同社では以前より「プレミアム商品」と位置づけた家電で、ただ製品を開発するだけではなく、それを使う住空間も含めて提案することで、人々のより良い豊かな生活をサポートすることに取り組んでいた。今回の新コンセプト「Aspire to more」で、この思想を改めて「ものづくりから、憧れづくりへのシフト」として捉え、流通小売、航空事業なども含めたトータルの事業で「憧れの住空間」を提案し、新しい価値創造に取り組んでいく。プレミアム商品の販売比率を、日本を含むアジア地域で2018年には30%の市場規模まで成長させる狙いだ。

パナソニックの目指す姿

プレミアム商品の販売を拡大していく

本間氏によれば、今年9月にドイツで開催されたIFAでは、この「Aspire to more」を掲げた展示で多くの反響を得たという。今回のCEATECでは、2018〜2020年をターゲットに、3〜5年後に実現可能な内容をメインにした展示でアピールする。

なお、創業者の松下幸之助は60年前に「皆さんの周囲が、皆さんを電器に関しては信仰する、いっさいお任せする、その家の電器係である 〜中略〜 私は、やがてそういうように考えねばならない時代が来るようになるし、またそうあってよいのではないかという感じがするんです」と語っていたとのことで、今回の「Aspire to more」はこの松下幸之助の言葉を受け継ぐものであるという。

松下幸之助が60年前に語った言葉を受け継ぐ思想とアピール

この考え方は、4K対応製品やハイレゾ対応製品にも共通しており、本間氏は今年のIFAで特にこの2つが盛り上がったことをアピール。4Kについては、同社もパートナーを務める2020年の東京五輪に向けて、2015年から市場が大きく拡大していることを紹介し、2020年には4Kテレビの普及率約70%を予測している。

9月のIFAでも4K/ハイレゾに注目が集まった

4Kテレビの普及率は2020年には約70%にまで拡大すると見込む

今回のCEATECでは、4Kに関する取り組みとして、HDRに対応する高輝度次世代テレビを参考出展するほか、昨日発表されたばかりの世界初Ultra HD Blu-ray対応レコーダー「DMR-UBZ1」の実機も出展。さらに、4K時代に向けて開発中というプレミアムハイグレードタイプHDMIケーブルも会場で参考出展する。銀箔シールドに亜鉛ダイキャスト製のプラグ&シールドケースを採用し、18Gbpsの世界最高転送速度を実現するという。

今回のCEATECでは、HDR対応次世代テレビなどを参考出展

伝送速度18GbpsのHDMIケーブルも開発中

本間氏は「4K放送開始に向かってこの流れは加速していくだろう。パナソニックでは先進の映像技術を築き、4Kの美しい映像を自宅で楽しむための提案をこれからも続けていく」と述べた。

もう1つの分野である「ハイレゾ」に関しては、昨年復活したTechnicsブランドを担当するパナソニック 役員 アプライアンス社 ホームエンターテインメント事業部 テクニクス事業推進室長 小川理子氏が説明を行った。

小川理子氏

「1965年にテクニクスのブックシェルフスピーカー「Tecnics 1」が登場してから、今年はちょうど50年目になります」と語り始めた小川氏。テクニクスでは現在、昨年のブランド復活時に発表した「R1シリーズ」と「C700シリーズ」をグローバル展開しており、各地で高い評価を得ているという。

50年前に登場したTechnics 1

Technicsブランドの歴史

「ブランドが復活して2年目に入った今年のCEATECでは、新しいコンセプトの製品を展示しています。まずOTTAVAは、あまりオーディオにこだわったことのない人や、オーディオは男性のものだと思っている女性など、オーディオに触れる機会がなかった人たちにこそ薦めたいオールインワンタイプのシステム。コンパクトながら高品位な音楽を楽しめるものとして、私は音の宝石箱と読んでます。OTTAVAから溢れる宝石のような音で、音楽を楽しむ喜びを多くの人に味わってほしいと思います。また、同時に発表したヘッドホンT700は、オーディオ愛好家やこだわりの音楽愛好家にターゲットを広げていくことを目的とした製品です(関連ニュース)」。

OTTAVA

T700

また、小川氏は2016年度の発売を目標に開発中だというターンテーブル製品についても触れ、「ハイレゾやネットワークが主流になっていきますが、テクニクスはアナログを愛する人たちのことも考えています。開発中のターンテーブルは、伝統のダイレクトドライブモーター技術を進化させ、最新のBDプレーヤーの制御技術を組み合わせています。こうした、パナソニックの伝統と先進性をあわせたイノベーションで製品開発に取り組んでいます」と述べた。

2016年度発売を目指すターンテーブル

伝統技術と先進技術を融合させて開発中

テクニクスにおける「Aspire to more」の考え方にも触れ、「テクニクスの技術的要素を応用したオーディオを組み込むことによって、住空間の価値はさらに高まるでしょう。音楽は音と空間の芸術であり、芸術は人の心を豊かにするものですから」と、BtoB向けの展開も視野に入れていることをコメント。また、今後の事業目標として「パナソニック創業100周年の2018年度には、テクニクスブランドは100億円規模の事業に挑戦します」とし「テクニクスの、これからの50年にご期待下さい」と結んだ。

2018年には売上100億円規模の事業に

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