AKG「N90Q」やテクニクスのヘッドホンなど

<IFA>オンキヨー&パイオニアの新ハイレゾDAPや各社の注目ヘッドホンを一斉試聴!

山本 敦

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2015年09月08日

■AKGのフラグシップヘッドホン「N90Q」

ハーマンインターナショナルのブースでは、今年のCESで発表されたAKGの新しいフラグシップヘッドホン「N90Q」を聴くことができた。

AKG「N90Q」

本機は著名音楽プロデューサーであるクインシー・ジョーンズとのコラボにより完成した第2弾モデル。AKGの新しいヘッドホン技術である「TruNote」を搭載した点が大きな特徴だ。欧州ではいよいよ今秋から本機の出荷がスタートする。価格も1,499ユーロでフィックスした。ラスベガスの時点では「未完成」と説明されていた音質も遂に最終調整を完了し、あとはパッケージの微調整を待つのみだという。

本機の大きな特徴であるAKGの最新技術である「TruNote」について簡単に説明しておきたい。ヘッドホンの左右ハウジング内に設けたマイクロフォンで、ユーザーがヘッドホンを装着した状態でのアコースティック特性を自動で測定、音場補正を行うオートキャリブレーション機能を搭載。これにAKGが特許を取得する「デュアル・フォーム・イヤークッション」や「ピストンモーション・ドライバー」、外部ノイズの遮音性能を高めるための最新「アクティブ・ノイズキャンセリング機能」を組み合わせたものが「TruNote」だ。

ヘッドホンを装着してから、本体右側ハウジングに設けられているオートキャリブレーションのスタートボタンを押すと、ヘッドホンの左右から順に「サササッ」という測定音が聞こえてきて、プロセスは約1〜2秒で素速く完了する。狙いは独自のアルゴリズムにより、ヘッドホンリスニングによる音像を頭外に定位させて、より自然なリスニング感と立体的なサウンドイメージをつくり出すところにあるという。

N90Qのハウジングは密閉型。正円形のデザインにクインシー・ジョーンズのシンボルロゴを配置。円形ハウジングの縁はダイアルになっていて、左側が低域のバランス、右側がボリュームの調整用として設けられている。

本機の試聴は現場に用意されていたPonoPlayerをリファレンスに聴いた。曲はThe Eaglesの『Hotel California』。サウンドはまさに王者の貫禄。AKGの新しいトップシリーズである「N」の中でも、さらに最上位機に位置づけられるモデルとして期待通りのHi-Fiサウンドを聴かせてくれた。

ドラムスの低域がズシンと響く。低域のバランスはちょうど昼間の位置あたりに設定して聴いたが、低域の制動がしっかりと効いていて、滲みがなくスピード感も鮮やか。ギターの音色が非常に煌びやかで、ボーカルは肉付きがよく声の微細な表情を丁寧に描き分ける解像表現力も充実している。高域はスムーズに立ち上がり、余韻の切れ味がとても心地良かった。何より自動音場補正の効果により立体的なステレオイメージが再現され、音像のフォーカスが驚くほどに鮮明だ。筆者が近年聴いたモデルの中でも最も音楽的な再現性が豊かなヘッドホンだ。

Hi-Fiクラスのヘッドホンに、自動音場補正をはじめとしたアクティブな音質向上機能が搭載された点については色々な受け止め方があるだろうが、本機のサウンドを聴けばAKGが目指す次世代の新しい音のコンセプトが見えてくるし、新しいフラグシップモデルを構成する一つ一つの要素に一切の妥協がないことが感じられると思う。

AKGからはもうひとつ、昨年発売された「Yシリーズ」の中核モデルをベースにしたBluetooth対応のヘッドホン「Y50BT」も注目の新製品だ。ベースモデルの「Y50」に、aptX対応のBluetooth再生機能が加わった。外観のトーンも鮮やかなカラーのスカンジナビアンデザインから、シルバーの落ち着いた上品な雰囲気に仕上げている。

AKG「Y50BT」

会場に持参したXperia Z2で試聴を行ったが、Y50の持ち味だったブライトで粒立ちの良いボーカルがワイヤレスになってもそのままに踏襲された。低域再生も力強くタイト。コンパクトでポータビリティの高いオンイヤータイプの「Y45BT」に、大きめなイヤーカップの本機が加わることで、音楽ファンの期待にこたえるラインナップがさらに拡充されることを歓迎したい。

復活テクニクスの新生ヘッドホン「EAH-T700」

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