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<CEATEC2007:ビクター>薄さ37mmの液晶テレビや180Hz駆動など新技術を多数公開

公開日 2007/10/02 18:24
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ブース前面では液晶EXE現行モデルをアピール

注目を集めた薄型液晶テレビ
日本ビクターは、2日午前に記者発表会を開催。佐藤社長が自ら経営戦略や展示内容の説明を行ったほか、液晶テレビの新技術の発表なども行われた。

初めに登壇した佐藤社長は、「6月に社長に就任して以来、各拠点を回りビクターの強みを確認した」と説明。同氏が語るビクターの強みは、先進性を誇る「技術」、幅広い開発・生産・販売網・ブランド力を持つ「グローバル」、ハードとソフトを持つ「シナジー」の3つ。同氏は、「これまでこの強みを十分に発揮できていなかった。これからはこれらの強みを活かして再生に取り組んでいきたい」と意気込みを語った。


佐藤国彦代表取締役社長

経営改革の概要

ディスプレイは4つの地域それぞれの戦略を用意
経営に関しては、これまで「技術のビクター」と言われてきたが、ユーザー指向の考えを強め「技術とマーケティングのビクター」として改革に取り組んでいきたいという。ケンウッドとの提携時に発表した「アクションプラン2007」(関連記事)については、計画通り進行しており、今期中の黒字化を目指すという。なおケンウッドとの業務提携に関しては、昨日10月1日に技術開発合弁会社を設立した(関連記事)と説明した。

今回のCEATECの出展コンセプトは「Being There(臨場感)」。特に力を入れているのが液晶ディスプレイ技術で、新技術により最薄部37mmを実現した「Slim LCD」が目玉となる。


ディスプレイ戦略について説明を行ったのは経営企画部の並木泰臣氏。同社では、新しいスタイルを提案する高品位、高性能のディスプレイを“プレミアムディスプレイ”とカテゴライズし、開発に注力していくという。そのプレミアムディスプレイの技術として今回初公開されたのが「Slim LCD」「180Hz LCDドライブ」「D-ILA 4K2Kプロジェクター」だ。


経営企画部 並木泰臣氏

プレミアムディスプレイの位置付け
Slim LCDはさらなる薄型化を果たした液晶ディスプレイ。参考出品された42V型では、液晶モジュールの厚さをこれまでの35.3mmから20.0mmにまで薄型化することに成功しており、テレビ自体の奥行きも37mmにまで薄型化した。この薄型化は新しい光学系の開発により可能になった。これまで同社は、バックライトがセットになった液晶モジュールをパネルメーカーから購入し使用していたが、新たなモジュールではバックライトを自社で開発したことで、性能と薄型化が両立できたという。また、Slim LCDではベゼルのスリム化も同時に実現している。



参考展示の42型はチューナーや各種回路を一体化している

20.0mmの薄型液晶モジュール(右)
なおSlim LCDを採用した液晶テレビは、2008年にまず欧州で発売する予定。欧州では「JVC」のブランドイメージが強いことや、サッカー「EURO CUP」の開催にあわせて展開することなどが、欧州先行の理由という。なお国内、北米についても2008年中の発売を予定している。また、先日発表した「新GENESSA」(関連記事)と組み合わせて製品化するかどうかは未定だという。


180Hz駆動のデモ

予測アルゴリズムの概要
180Hz LCDドライブは、これまでの倍速120Hz駆動をさらに推し進めた3倍速駆動技術。60コマ/秒の映像の各フレーム間に、動き予測アルゴリズムにより生成した2コマの画像を挿入することで180コマ/秒の動画再生を実現する。ブース説明員によれば「4倍速までの動画生成を実現しているが、現状ではそれを表示できる液晶パネルがない」とのこと。参考出品されたモデルは32V型で、解像度はワイドXGA(1,280×768)。


LEDバックライト液晶のデモ

LEDバックライトの概要
バックライトをエリアごとに制御することで、100,000対1の高コントラスト比を実現する液晶ディスプレイ用LEDバックライト技術も新たに公開された。映像に応じてエリアごとのLEDをコントロールするとともに、画素ごとのガンマ制御を行うことで、コントラストの高い映像表示を実現している。また、消費電力は約50%の削減を実現している。


参考出品された4K2Kプロジェクター
D-ILAプロジェクターでは、DLA-HD1で培った技術によりコントラスト比を高めた4K2Kプロジェクターを参考出品。従来の1.7インチから1.27インチにまで小型化した新開発のD-ILAデバイスを搭載したのが大きな特徴で、コントラスト比は5,000対1から20,000対1にまで向上。また、表示解像度も4,096×2,160から4,096×2,400に拡大している。

また、新たなテレビの操作方法を提案する技術展示として注目を集めていたのが「拍手&ジェスチャー認識テレビ」。小型マイクと小型カメラを内蔵したユニットをテレビの上に取り付けることで、リモコンを使わずにテレビの操作が可能になるという技術だ。デモ機では、拍手をすることで操作メニューを呼び出すことができる。カメラは人の手を認識することができ、操作メニューを手でクリックするような動作をすることで、ボリューム操作やチャンネル切り替え、各種項目の選択などを行うことができる。実用化の予定は今のところないが、インタラクティブコンテンツとの連動など、様々な用途に利用できそうだ。


ジェスチャー認識テレビ。メニュー内には自分の手が映る

ジェスチャー認識テレビの各種操作方法
ビクターブースでは他にも、エブリオ最新モデルやウッドコーンスピーカーを中心としたオーディオ製品、デジタルオーディオプレーヤー、ヘッドホンなどを展示。また、参考出品の4K2Kプロジェクターの画質を体験できるシアタールームも用意している。

ウッドコーンスピーカーが勢揃い

Everioは体験コーナーを用意

4K2Kプロジェクターの上映も行う

(Phile-web編集部)

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