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ビクター、「GENESSA」を進化させた12bit DeepColor対応映像処理エンジンを開発

公開日 2007/09/27 18:13
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日本ビクター(株)は、12bitの処理回路を搭載し、高い映像表示性能を実現した“次世代高画質エンジン”を開発したと発表。同エンジンは、2008年に発売する液晶テレビに採用する予定だという。


新エンジンのLSIのイメージ

2004年に誕生したGENESSAの歴史

新エンジンの概要
同エンジンは、同社現行の液晶テレビに搭載された「GENESSA」のコンセプトを継承し、さらなる改良を加えた映像処理システム。映像処理のすべてを12bit(RGB合計36bit)で行うことで高品位な映像再現が可能となっている。HDMIからの36bit DeepColor信号の入力に対応するほか、8bit(RGB計24bit)信号についても12bitに変換してから処理を行う設計となっているのが特徴だ。


全行程を12bitで処理

より滑らかなグラデーション表現を実現
8bitの信号を12bitに変換するために開発されたのが「Real Bit Driver」技術。従来の画像処理エンジンでは再現しきれなかったグラデーションなどの映像を、より滑らかに表現することが可能となっている。また12bit化した映像は、「インテリジェントガンマ」などの独自の処理により、精細感を欠くことなく表示することが可能だという。

なお、12bitで処理された映像信号は、最終段でパネルのビット数にあわせて出力される(現行の液晶EXEの場合10bit)。このため、将来的に12bitのパネルが登場した場合にも本エンジンをそのまま適用できる。


動画にも3次元NRを適用可能になった

3次元NR採用のメリット
本エンジンのもう一つの大きな特徴は、動画に対するノイズリダクション性能を向上した「i-Clear Motion NR」の搭載だ。一般的な「3次元ノイズリダクション」は、静止画に対してのみ大きな効果を発揮するのに対し、本エンジンでは、同社の倍速120コマ技術で培った動き予測技術を用いることで動画にも対応。フレーム間の同じ映像同士を認識し、処理することが可能となっており、動画ボケを起こすことなく、高いノイズ除去性能を発揮することができる。

また本エンジンは、色再現の性能もさらに進化。GENESSAの「インテリジェントγ」、「インテリジェントクリア」に加え、よりリアルな色再現を実現する「Real Color Creation (リアルカラークリエーション)」を新たに開発し、搭載している。Real Color Creationは、“注目した物体の色彩に対する視覚感度が高まる”という人間の目の特性を利用し、“映像1枚1枚の色分布をリアルタイムに分析”することで、人間の着目する映像をよりリアルな色彩と質感で再現することが可能となっている。


進化を続けるインテリジェント技術

人間の着目する映像をリアルに表示
さらに本エンジンは、独自の「“x.v.Color”対応信号処理回路」を開発し搭載。xvYCC規格(x.v.Color)の映像信号にも対応している。


なお本エンジンは、2008年の早い時期に発売される液晶テレビに搭載する予定。新エンジンの名称を「GENESSA」とするかどうかはまだ未定だという。また同技術はフロントプロジェクターへの転用も可能だが「適用を検討してはいるが、具体的な計画は今のところない」とのことだ。

(Phile-web編集部)

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