エミライ、eversoloとLuxsin audioの国内取り扱いを開始。「音質と操作性の双方を高い水準で実現」
エミライは、中国発のオーディオブランド「eversolo(エバーソロ)」および「Luxsin Audio(ラクシン・オーディオ)」の日本国内における輸入代理店業務を、11月1日より開始した。
これに先立ってメディア向け発表会を開催し、両ブランドの特徴や今後の国内展開、同社が目指すネットワークオーディオ市場での戦略について説明した。
中国発のネットワークオーディオブランド
両ブランドは、映像・音響機器やソフトウェア開発を手がける中国・Zidoo Technologyを母体とするオーディオブランド。eversoloはネットワークプレーヤーやアンプ、スピーカーなどを展開し、Luxsin audioはヘッドホンを中心とするパーソナルオーディオに特化した製品開発を行っている。
第1弾プロダクトとして、eversoloからはネットワークプレーヤーやパワーアンプ、スピーカーなど11モデルを展開。Luxsin audioからはDAC/ヘッドホンアンプ2モデルからスタートする。
会見では、両ブランドの研究開発を統括する最高技術責任者(CTO)蒙 在明氏からのビデオメッセージが紹介された。新たな日本国内のパートナーとしてエミライを選んだ理由について、「伝統的なオーディオ技術と新しいデジタル技術の双方に精通し、ホームオーディオとパーソナルオーディオの両市場に対応できる」点を評価したと説明した。
また、エミライ側からは取締役の島 幸太郎氏が登壇。今回の取り扱い開始の狙いとともに、ネットワークオーディオ市場の現状、両ブランドの製品開発思想、そして今後の事業戦略について解説した。
音質と使いやすさの両立が課題
島氏は、ネットワークオーディオ市場において、ユーザーが製品に求める価値が大きく変化していると指摘する。従来のオーディオ製品では音質の高さが重要な評価基準となってきたが、ストリーミングサービスの普及に伴い、操作性やソフトウェアの完成度、継続的なアップデートによる使い勝手の向上も、製品選びの重要な要素となっているという。
特にネットワークオーディオでは、音楽配信サービス、NASなどに保存したローカル音源、USB接続による再生など、音源へのアクセス方法が多岐にわたる。その一方で、それぞれに異なるアプリや操作方法が必要となり、システム全体が複雑化していることを課題として挙げた。
島氏は、CDプレーヤーであればディスクを挿入して再生ボタンを押すだけで音楽を楽しめるのに対し、ネットワークオーディオでは音楽の入り口が増えるほど、操作や管理が煩雑になりがちだと説明する。
こうした状況に対して、音質と操作性の双方を高い水準で実現し、ユーザーがストレスなく音楽を楽しめる環境を提供することが重要だと強調した。その課題に対する有力な回答のひとつがeversoloであると位置づけた。
eversoloは「分断された音楽体験の統合」を目指す
eversoloは、DAC製品「DAC-Z6」「DAC-Z8」などを経て、ネットワークプレーヤー「DMP-A6」で世界的に注目を集めたブランドだ。
島氏は、同ブランドの特徴を「これまで分断されていた音楽再生の仕組みを、ひとつのシステムに統合すること」と説明する。ストリーミングサービスやローカル音源の管理、DACによる信号変換、音量調整やDSPによる音質調整など、従来は別々の機器やソフトウェアで行っていた機能を統合し、直感的に操作できる環境を提供することが製品開発の基本思想となっている。
その実現を支えているのが、ハードウェアとソフトウェアを自社で一体的に開発する体制だ。
ビデオメッセージでも、同社の開発思想について「ハードウェアは音のために、ソフトウェアは音楽を聴く体験のためにある」と説明。音質の基盤を確保しながら、音楽を聴くために複雑な操作を覚える必要がない製品を目指しているという。
また、ハードウェアとソフトウェアの開発チームが同じ拠点で連携していることも強みとし、製品発売後もソフトウェアアップデートを通じて機能やユーザー体験を改善し続ける姿勢を示した。
同ブランドは現在、世界80以上の国と地域に製品を展開。北米をはじめとする海外市場では、まずユーザーコミュニティで使いやすさが評価され、その後に専門メディアによる音質評価や測定評価が広がっていったという。
島氏は、こうした評価の広がり方にも言及。大画面ディスプレイや専用アプリによる操作性、豊富な機能、音質面での完成度に加え、価格とのバランスの良さがeversoloの支持につながっていると分析した。
製品ラインナップについても、DMP-A6を出発点として、アナログ入力やプリアンプ機能、DSP機能などを強化した上位モデル「DMP-A8」へと発展。さらにクロックや電源周りなどを強化したMaster Editionモデルにも進化した。
島氏は、個々の機能が優れているだけでなく、製品全体としての完成度が高く、使い勝手の面でも弱点が少ないことがeversoloの大きな魅力だとアピールする。
Luxsinはヘッドホン再生の「パーソナライズ」に注力
一方のLuxsin audioは、ヘッドホンを中心とするパーソナルオーディオに特化したブランドだ。
eversoloが複数の音楽ソースや再生機器を統合し、オーディオシステム全体の利便性を高めることを目指しているのに対し、Luxsinはユーザーごとのヘッドホン環境や音の好みに合わせ、再生環境そのものを最適化することを重視している。
島氏は、ヘッドホンでは製品ごとにインピーダンス特性や音響特性が異なり、さらにユーザーによって好みの音や聴こえ方にも違いがあると説明。こうした個々の条件に合わせて音を調整することが、これからのパーソナルオーディオにおける重要な方向性になるとの見方を示した。
具体的な技術として、接続されたヘッドホンのインピーダンス特性を測定し、その特性に応じて再生環境を調整する機能を紹介。さらに、パラメトリックEQやクロスフィードに加え、AIを活用した音質調整機能も搭載する。
従来のイコライザーでは、ユーザー自身が周波数やゲインを指定しながら音を調整する必要があったが、Luxsinでは自然言語による指示を用いた調整を可能とすることで、専門的な知識を持たないユーザーでも好みに合わせた音作りができるという。
同社はこうした技術を通じて、単にヘッドホンアンプとしての音質や駆動力を追求するだけでなく、ユーザーそれぞれに最適なリスニング体験を提供することを目指している。
CD再生とストリーミングの両立にも期待
具体的に登場する第1弾プロダクトは、先述の通りeversoloからは全部で11モデル、Luxsin audioからは2モデル。すべてオープン価格で、以下は税込の予想実売価格となる。
eversolo
・ネットワークプレーヤー「DMP-A10」:737,000円前後
・ネットワーク/CDプレーヤー「DMP-A8 Master Edition Gen2」:528,000円前後
・ネットワークプレーヤー「DMP-A8 Gen2」:418,000円前後
・ネットワークプレーヤー「DMP-A6 Master Edition Gen2」:242,000円前後
・ネットワークプレーヤー「DMP-A6」:184,000円前後
・ネットワークトランスポート「T10」:473,000円前後
・ネットワークトランスポート「T8」:253,000円前後
・DAコンバーター「DAC-Z10」:412,500円前後
・パワーアンプ「AMP-F10」:451,000円前後
・スピーカーシステム(パッシブ)「SE100」:93,500円前後(ペア)
・測定用マイク「EM-01」:17,380円前後
Luxsin audio
・DAC/ヘッドホンアンプ「X9」:179,000円前後
・DAC/ヘッドホンアンプ「X8」:148,000円前後
記者が個人的に特に注目したいのは「DMP-A8 Master Edition Gen2」で、トップローディングスタイルのCDドライブを搭載。縦長の棒状になった部分を持ち上げるとCDがセットできる。ネットワークにつながっていれば、CDの情報も自動で読み取って大型ディスプレイに表示可能で、CD再生とストリーミング再生を両立できるスタイルは日本のオーディオ市場にもマッチしそうだ。
また今回発表会では軽く言及されるに止まったが、今年のウィーン・ハイエンドではクロックジェネレーターの「C10」なども発表され、デジタル再生に関わる新しいカテゴリにもチャレンジしている。エミライでも取り扱いを検討しているようで、今後のラインナップ強化にも期待したい。
会場では、PMCのスピーカー「Prophecy 9」とeversolo製品を組み合わせたスピーカー再生システムを展示。パワーアンプは「AMP-F10」を組み合わせ、解像感の高さと透明感の高さが印象的な組み合わせとなっていた。
またFIIOのデスクトップストリーマーとLuxsin audioを組み合わせたヘッドホン再生システムを展示し、パーソナルなオーディオシステムの積極的な提案も行っていた。
エミライが目指す、エントリーからハイエンドまでの幅広い提案
今回の2ブランドの取り扱い開始は、エミライが進めるオーディオ事業全体の戦略にも関わるものだ。島氏は、オーディオ製品に対するユーザーのニーズが多様化するなか、異なる開発思想や特徴を持つブランドを取り揃えることで、幅広いユーザーに対して最適な製品を提案できる体制を整えていくと説明した。
音質の追求に加えて、操作性やソフトウェアによる機能拡張、個々のユーザーに合わせた音質最適化といった新しい価値を提案し、日本市場での展開を強化していく方針だ。
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