店長のペガサス☆田中さんに直撃！

【専門店探訪】ネットワークオーディオの知識はピカイチ！YouTube発信も力をいれる名古屋・オタイオーディオ

公開日 2025/05/05 07:00 筑井真奈

名古屋のハイエンド・オーディオショップ「オタイオーディオ」。精力的なYouTube配信、さらにネットワークオーディオに関する最新tipsをSNSで発信するなど、若い世代のオーディオファンにも愛される、いま一番波に乗っているオーディオ専門店である。

精力的な情報発信の要となっているのが、現店長の田中昌樹さんことペガサス⭐︎田中さん。前職はネットワークエンジニアで、オタイオーディオにはお客さんとして何度も足を運んでいたが、2020年にオタイオーディオにジョイン。社長である井上揚介さんから「日本一のオーディオ屋にならないか？」という誘いに熱い志を感じ、入社したという経緯があるそうだ。（なお井上社長曰く、「んー…ペガサスを誘ったのは事実なんだけど、僕は“日本を代表するオーディオ屋にならないか？”って言ったんですよね。それをペガサスがちょっと違うように受け取ったみたいで。ま、結果オーライなんでいいんですけど。笑」）

ペガサスさんはお客さんとして来ていた頃から海外ハイエンド製品を愛好しており、自宅ではリンのネットワークプレーヤーとピエガのスピーカーを使っていたという。現在の店頭ラインナップを見ても、瀟酒で音質も確かな海外ブランドが多く並ぶ。

オタイオーディオのメイン試聴ルーム。取材時のメインスピーカーはFINK teamの「BORG Episode2」。また中央の弩級アンプはPlayback Designsの「SPA-8」

だが、あくまでペガサスさんは「お店としてこれを売りたい、というよりも、お客さんの聴きたい音に寄り添った提案ができるように心がけています」と力強い。実際お店を見回しても、Bowers&Wilkinsはもちろん、モニターオーディオ、KEFにマジコにパラダイムと、世界各国の著名スピーカーブランドが展示されている。

もちろん国産メーカーについても、信頼できるブランドは強力にプッシュする。TADのスピーカーやアンプは動画でも取り上げているし、アキュフェーズやエソテリック、SOULNOTEなどもしっかりサポートしてくれる。「音質とデザイン、どちらもしっかりしているブランドじゃないと嫌なんです」と、ユーザー視点を決して忘れずに製品をセレクトしている。

ペガサスさんといえば、かつてのネットワークエンジニアのキャリアを活かした、ルーターやハブも含むネットワークオーディオに関する高い知見でも信頼を集めている。二重ルーターの解決方法やセグメンテーションによる音質改善技などをSNSで積極的に発信し、音質向上術に関わる議論の活性化に大きく貢献している。

ペガサスさんも「お店としてはアナログもしっかり取り扱っていますが、アナログに関してはお店や評論家の方々も含め強い先達がたくさんいますよね。ですからそこで勝負するより、自分なりの強みを見つけて差別化したい、オタイオーディオはここが強いよね、と言われたい、という思いはあります」と胸を張る。YouTubeも、いまでこそメーカーやショップが発信することも増えているが、その先鞭をつけたのがオタイオーディオであることは間違いないだろう。

さらに、“エッジのたった”海外ネットワークオーディオブランドの紹介にも力を入れる。「シナジスティック・リサーチのVoodooの取材では土方さんと対談させてもらいましたね。シナジーは技術面はもちろん、オーディオ的な作り込みにも非常に関心がありますし、香港のエディスクリエーションにも注目しています。ハブのクロックシンク機能もオリジナリティがあって面白いですよね」。輸入商社からの情報だけではなく、海外サイトも日々チェックして、最新のネットワークオーディオに活かせるアイデアがないか、常にアンテナを張っているのだ。