最上位機「PD-70AE」の技術を踏襲

パイオニア、MQA-CD再生にも対応するSACDプレーヤー「PD-50AE」【ミニレビューあり】

2020/11/10 ファイルウェブオーディオ編集部・筑井真奈
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外観は、これまでのパイオニアのピュアオーディオコンポーネントシリーズを踏襲しており、剛性感のあるアルミ筐体となっている。13kgと、一人で持てる範囲内とはいえ重量感もあり、振動対策に手間をかけられていることを伺わせる。

PD-50AEを早速テスト

天板はしっかりしたアルミで、大きめのネジ止めがなされている。横から見ると、フロント部は2層構造となっており、堅牢な作りが見て取れる。また、ボトム側を見ると4つの足が装着されており、共振対策が施されたインシュレーターとなっている。

横から見たところ

インシュレーター

SACD・CD・MQA-CD(ハイレゾCD)と現在市場に流通するソフトの多くが再生できることも嬉しいポイントで、SACDハイブリッドの場合は、フロントパネル左のCD/SACDボタンを押すことで切り替えができる。SACD再生時にはディスプレイの左上に小さく「DSD」、MQA-CD再生の場合はMQAと表示される。

SACD再生の場合は左上にDSDと表示

MQA-CD再生の場合はMQAと表示

SACDハイブリッド盤として、加藤訓子のマリンバ作品『Tribute to Miyoshi』のSACDレイヤーを聴いてみると、マリンバのアタック感の立ち上がりの良さや、消え側の非常に細かいところまでコントロールされた余韻感が非常に印象的。一方のCDレイヤーは、より相模湖交流センターで収録された「ホールの雰囲気」を聴かせてくれる印象で、幅の広い楽器であるマリンバの幅感がよく伝わってくる印象を持った。

MQA-CDとしては、ワーナーミュージックより発売となったリッキー・リー・ジョーンズのデビュー作『浪漫』を聴いてみたが、彼女の若々しい声がスピーカーから立ち現れて、甘酸っぱい気持ちになってしまう。MQAのオンオフ等はできないが、彼女の声の鮮度の高さはあらためてMQA-CDによって際立つように感じられた。

アップサンプリングのモードはCD再生時のみ可能で、SACDならびにMQA-CDの再生時には対応しない。352.8kHzへのアップサンプリングとなっているが、『Tribute to Miyoshi』のCDレイヤーでは、高域の余韻感に特に違いが出るように感じられた。

LOCK RANGEは6段階あり、初期状態では「6」に設定されている様子。「1」に設定してみると、よりサウンドの芯が明確になり、引き締まった印象を与えてくれる。好みのニュアンスで調整ができそうだ。ただし、ロックレンジ幅を狭めていくと、ロックがはずれ音途切れやノイズが発生する場合があるとのこと。また、MQA-CDではこの設定はできない。

CD再生時において、アップサンプリングのオンオフを選択できる

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