インシュレーター「IS-HR1」も

クリプトン、吸音/反射の両面型チューニングパネル「AP-R1000」 ー 異種吸音材組み合わせで性能向上

公開日 2017/09/13 17:03 編集部:小澤貴信
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クリプトンは、オーディオ用チューニングパネルの新モデル「AP-R1000」とインシュレーター「IS-HR1」を10月上旬より発売する。

・「AP-R1000」アコースティック・チューニングパネル ¥90,000(税抜)

AP-R1000の裏表。吸音面がダークブラウン(左)、反射面がライトブラウン(右)となる

AP-R1000は、吸音面と反射面を表・裏に備えたチューニングパネル。使用するケースに応じて、表・裏のどちら側を表に出すかで吸音と反射の使い分けができる。同社はオーディオ事業開始当初からチューニングパネルを手がけてきたが、今回のモデルでも優れた吸音性能をほこる吸音材「ミスティックホワイト」を採用。新たにグラスウールと組み合わせることで、その効用をさらに強化。デザインも刷新した。

吸音面には、音響素材としてオーディオ用途はもちろんスタジオ用途でも広く利用されているという「ミスティックホワイト」と、ミスティックホワイトの特性を補うことができる「ミクロングラス」(グラスウール)をハイブリッドで使用。反射面には有孔ボードを採用。吸音と反射の両方の改善を図ることが可能としている。

AP-R1000を分解したところ。左が吸音面の内側、右が反射面の内側になる

ミスティックホワイトは、軽くて熱伝導が速く、オーディオ再生におけるルームチューニングで重要となる中低域(200〜800Hz)に対して優れた吸音特性を備えている。そのため、特に難しいとされる中低域の吸音による音場改善に高い効果を発揮するとされている。

AP-R1000では、同社のチューニングパネルとしては初めて、これにミクロングラスを組み合わせた。ミクロングラスは繊維が非常に細かいグラスウールで、中高域(800〜1000Hz)に対して高い吸音率が得られるという。

この両者の吸音特性の特異性を活用してハイブリッド採用することで、広い周波数帯で優れた吸音特性(複合特性)を発揮するとしている。それぞれの素材が吸音する周波数帯を補い合っている様子は、以下のグラフを見るとよくわかる。

AP-R1000は吸音側と反射側でそれぞれ1枚の木枠を重ねた構成になっていて、吸音面の表面にはジャージ(ダークブラウン)、木枠の間にミスティックホワイトを配置。反射面には表面にジャージ’ダークブラウン、次に有孔ボード、その次に木枠の間に配置されたミクロングラスという順で配置されている(下図参照)。

AP-R1000の構成

発表会では同社の渡邊氏がAP-1000Rの具体的な使い方について説明。「ルームチューニングに魔法はなく、吸音と反射の2つの要素しかない。この2つをいかに計算して調整するかが肝になる」と述べ、最適な位置において本機の吸音面と反射面を上手く利用する必要があるとした。

ステレオ再生については、フロント側はライブにするのが鉄則と渡邊氏。下図のような部屋の場合は、音だまりが発生するコーナーを塞ぐように45度の角度でAP-R1000を反射面を表側に配置することを推奨していた。こうすると、スピーカー側(表側)には反射面で適度な反射をつくりだし、一方でコーナーの音だまりに対しては壁側(裏側)の吸音面で吸音を行うということができるという。また、視聴ポイントの背後はデッドにすることが定石で、こちらにはAP-R1000を吸音面を表にして配置することが推奨されていた。

AP-R1000では安定した設置を可能とするために重厚な金属製スタンドを標準装備。また、家具や部屋とのマッチングにも配慮して、従来モデルのように木枠が外に露出するデザインを廃して、一面が同一色となるデザインとした。

外形寸法は440W×1,560H×20Dmm(スタンド込み260Dmm)、質量は6kg(スタンド含む)。

・「IS-HR1」インシュレーター ¥19,800/4個(税抜)

IS-HR1

ハイレゾ対応を掲げる同社のアクセサリーシリーズ「HR」のラインナップ中で、最も手ごろな価格となるインシュレーター。HRシリーズの電源ボックス、オーディオボード、インシュレーターなどで採用されている制振材「ネオフェード カーボンマトリクス3層材」を本機も採用。ベースには非磁性体のステンレスを用いている。サイズもφ29.5mm、高さ11mm、質量43gとシリーズ最小となる。

ネオフェード カーボンマトリクス3層材は、クリプトンと三菱ガス化学が共同開発。制振素材ネオフェードを、炭素繊維強化プラスチックで挟んで3層構造としている。上下のカーボン素材により振動の音速を早めて表面はとして伝播させ、そのエネルギーを熱交換して振動をスムーズに吸収させることで、高い減衰特性を実現している。

本機はDACやプレーヤー、アンプでの使用はもちろん、スピーカーとの組み合わせも想定されているとのこと。発表会では同時発表されたKX-0.5とスタンドの間に本機を用いてデモを行っていた。

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